悲観的[語句情報] »
悲観的
「悲観的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悲観的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
にしか思えなかった。士官や兵卒は沈黙のうちに懸命の努力を尽していた。ただこうした
悲観的な緊張の中に、軽快に得意に立ち回っている士官があった。それはむろんゼラール....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
く、健康そうになっていた。おそらくこの土地の風物が、彼の心身に適ったのであろう。
悲観的であった精神まで、楽観的になったらしく、言葉にも動作にも活気があった。 「....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
し、われわれはこの緊急なる事業を中止しなければならなくなるでしょう」 「じゃあ、
悲観的なことだらけですわね」 「まずそういっていいでしょう。しかし本艇がこんどの....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
の任務の影響でそれがだんだんひどくなって来ていた。――父はこの戦争に対して非常に
悲観的であった。 凡そ自分の感情を奔放に発揮することの出来ない時であり、女学生....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
とになる。疑問に云っているがつまりは自らに肯定する云い方である。古代民謡は、ただ
悲観的に反省し諦念してしまわないのが普通だからである。それからこの小楢の如く美し....
「“歌笑”文化」より 著者:坂口安吾
のである。 それが歌笑の強味であったが、彼の未来にとっては、これが又、決定的な
悲観的因子をなしていたろうと思う。金語楼のハゲ頭は、愛くるしくて、映画の笑いにも....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
えて、もはや広い大海へ出るのは確実であると思っているのに、なにゆえに船長は事態を
悲観的にのみ見ているのか、わたしにはとうてい測り知られないことである。 「ドクト....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ある。ただ前に述べた小規模の下宿屋に比して利益が多いというに止まるのである。かく
悲観的暗黒面ばかり見た時は、下宿屋は一軒も成立つものではないかとその疑問も起るか....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
いことだろうかとか、それが警察や憲兵隊の意志によったものだとすれば、恐らく結果は
悲観的だろうとか、いや、警察や憲兵隊までが気にやむぐらいだから、却って有望かも知....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
は橋をかけて進むという方法もあるのだから。……ぼくの考えるところでは、君の現在の
悲観的判断がかりに当たっているとしても、道江が君以外のだれかを愛しているというこ....
「俳優と現代人の生活（対話Ⅴ）」より 著者:岸田国士
実質は研究所だけではどうにもならないでしよう。 Ａ お話を伺つているとだんだん
悲観的になつてしまう。 岸田 ともかく、そういうことに気がつかなければいけませ....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
て、一種の不信を抱くようになり、君自身の方向をさえ見失おうとしているという極めて
悲観的な心境を訴えられてみると、僕自身にも多少はそのことに責任がありそうに思えて....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
そう考えるようになった。 ★ 私がこのように日本犬について
悲観的な考えを持つようになったのもチャチな日本犬を飼ったせいだ。日本犬の中にも外....
「牛」より 著者:坂口安吾
うに思われた。 「オレだけ運がわるいのかな。どうもそうらしい気がするが、こういう
悲観的な考えは人生に害があるだけかも知れない」 彼はそんな風に考えて、自分の人....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
後にして貧民窟に帰った。二人の会話は実に蜜のごとく甘いものであった。それと同時に
悲観的なものであった。 「菊ちゃん、僕はね、近頃
悲観的になって仕方がないのだよ。....