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「情け無い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

情け無いの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
深く心の底に根を卸した愛の情は仲々是しきの事で消えて了う者では無い、唯残念だ、唯情け無い、真に手の裡《うち》の珠をでもなくした様な気持がして、急に身の上が、淋し....
死後」より 著者:正岡子規
万一形が崩れぬとした所で、浅草へ見世物に出されてお賽銭を貪る資本とせられては誠に情け無い次第である。 死後の自己に於ける客観的の観察はそれからそれといろいろ考....
惜別」より 著者:太宰治
の事は無い、日本語不自由組の同気相求めた結果のものに過ぎなかったのではないか、と情け無い気持にもなるが、しかし、それは、あまりにもふざけた冗談の推論かも知れない....
試験管」より 著者:寺田寅彦
とによると、実は自分自身の中にも、そういうふうに外国人に追従を売るようなさもしい情け無い弱点があるのを、平素は自分で無理にごまかし押しかくしている。それを今眼前....
太郎坊」より 著者:幸田露伴
。ああ、いつか次郎坊が毀れた時もしやと取越苦労をしたっけが、その通りになったのは情け無いと、太郎坊を見るにつけては幾度となく人には見せぬ涙をこぼした。が、おれは....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
酌もして貰う、両天秤を掛けるところを、肴は骨までしゃぶッて、瓢箪は一滴を留めずは情け無い。と云って、羽田の悪酒を詰めるでもありませんから、船中では有の実でも噛り....
決闘場」より 著者:岡本かの子
リスの機嫌を覗いた。 ――は、は、は、は。 無力な声でアイリスは笑った。妙に情け無い顔をして彼女は笑った。今では彼女は男達が何をしようと構わない気がした。実....
放浪」より 著者:織田作之助
十銭残ったので、二十銭で餡パンを買って船に乗った。船の中で十五銭毛布代をとられて情け無い気がしたが、食事が出た時は嬉しかった。餡パンで別府まで腹をもたす積りだっ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
たのである。)僕はそこへ通っているうちに英語や数学を覚えた外にも如何に僕等人間の情け無いものであるかを経験した。こういうのは僕の先生たちや友だちの悪口をいってい....