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情意
「情意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
情意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
らドイツ生まれらしいカロリーナ・イワーノヴナという女で、彼がことのほかねんごろな
情意を寄せている相手であった。断わっておかねばならないが、この有力者はもうけっし....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
現わす場合にかかる分解法によるのは私の最も忌むところである。人間の生命的過程に智
情意というような区別は実は存在していないのだ。生命が或る対象に対して変化なく働き....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
これなく候ては相叶わざるのところ、大樹関東へ帰府せられ、東西相離れ候ては、君臣の
情意相通ぜず、自然隔離の姿に相成るべく、天下の形勢救うべからざるの場合にたちいた....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
みやすくもあったところだ。本居翁にはそれはない。寛いふところに、ありあまるほどの
情意を包みながら、言説以外にはそれも打ち出さずに、終生つつましく暮らして行かれた....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
でも食い入らないでいよう。 故郷の感じを初めて監獄で本当に知ったように、僕の知
情意はこの獄中生活の間に初めて本当に発達した。いろいろな人情の味、というようなこ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
であり、自己の影であり、達せられた目的は生命の自己認識である。 われらの生命は
情意からばかりはできていない。生命は知
情意を統一したる分かつべからざる有機的全体....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、火焔の中に立ちながらも、しきりに姫の身の上を案じわびられたそうで、その忝ない御
情意はよほど深く姫の胸にしみ込んで居るらしく、こちらの世界に引移って、最う千|年....
「白痴」より 著者:坂口安吾
を刻んでいるというほどではない。むしろ本来の子供よりも却って理智的に思われるほど
情意を静かに殺している。その瞬間にはあらゆる大人もそれだけで、或いはむしろそれ以....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
なくて、すゝんでして下さる性質のものであり、又、酔っ払いの男などより教養も高く、
情意もひろく寛大であるから、暴言などは許して下さるものだろう、とアベコベな風に考....
「「花妖」作者の言葉」より 著者:坂口安吾
新型をてらうものではありません。この形式が物語の最も自然な展開法で、今日の我々の
情意にとって最も素直な分り易いものであり、作者にとっても語り易い方法であると信ず....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
た。これは「みなともに維れ新たなり」の時であるから、彼等は話が弾んで立ちどころに
情意投合の同志となり、互に相約して革命に投じた。 彼等はいろいろ想い廻して、や....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
り難い事情があるのである。 読書とは単なる知性の領域にある事柄ではない。それは
情意と、実践との世界に関連しているのである。特に東洋においては、それはむしろ実践....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
こにある。戦く心を抑え切って、じっとして、その淵の底を窺うものの目には、すべての
情意、すべての事象を一色に籠めた無限の沈黙世界が眼前に展開して、雲間の竜のように....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
もよい。すなわち精神的発展を遂げる本能が人間にそなわっている。ところが人間には知
情意という三方面の精神作用があるがために、その知的方面が発展してきたところに、あ....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
十一時半までは皆離れて座っていましたが、ボーイが気を利かして勧めて歩きますので、
情意投合した男女は軈て同じ食卓に向い合って腰掛けました。ボーイは万事呑み込んでい....