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情状
「情状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
情状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しばらく裁断を考えまよっているかのようでしたが、やがて断固としていいました。 「
情状|不憫《ふびん》にも思うが、天下のご法度《はっと》をまげることは相成らぬ。遠....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に堪えられないので放火したという風に巧く云い取りをしたと見えて、こんにちでいえば
情状酌量、罪一等を減じられて八丈島へ流されることになりました。それを有難いと思っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と照之助は関係があったのでした。照之助は年も若いし、兄のかたき討ちというところに
情状酌量の点もあるので、遠島になりました。 腕を斬られた二人、そのうちで岩蔵は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いた。 「おかんは死罪になりました」と、半七老人はわたしに話した。「今日でしたら
情状酌量にもなったのでしょうが、その時代ではどうもそう行きませんでした。それも自....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
たそうです。なにぶんにもまだ十六にも足らない者ではあり、係りの役人達も大いにその
情状を酌量してくれたのですが、理窟の上から云えば筋違いで、そんなことで一々かたき....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
見込が附けば其時初めて罪に落す、若しお前の白状だけで外の証拠に疑わしい所が有れば
情状酌量と云て罪を軽める事も有り又証拠不充分と云て其儘許す事も有る」と殆ど噛で食....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
刑事は歯がみをしながら云った。 「だまっていればいる程損なんだ。立派に白状すれば
情状酌量と云う事がある。お前が強情を張る為に罪のない女房まで痛い目を見ているでは....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
な》きだに他国者の天降《あまくだ》り武士を憎んで居る地侍の怒り出すのも亦有り内の
情状であるから、そこで一揆《いっき》も起るべき可能性が多かったのである。戦乱の世....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
った。 彼はいう。価値は主観から独立な真の対象であって、価値現象として主観の感
情状態や、欲求とは相違する。さまざまな果実の美味は果実の種類によって性質的に異な....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
なって、刑の執行猶予を申渡されて、無事に出獄したそうだ。裁判所の方でもいろいろの
情状を酌量されたらしい。 しかし彼女は無事ではなかった。家へ帰るころには例の病....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
法は人を裁くが如くにして、実は、その罪を、その罪の軽重のみによつて裁くのである。
情状酌量には限度がある。この岡本の竹を割つたような性格には、なるほど一点の邪悪ら....
「或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
に、重クロム酸加里を混入せる酒を呑ましめたることも、自分の利得のための殺人として
情状酌量の余地なし。」 ――昭和四年(一九二九年)『文学時代』十月号――....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
頼んだところが、よし清国の方で私の願いを容れ、また日本の外務省においてもよくその
情状を察しそれだけの取計らいを清国に通じ清国政府においてよくやってくれると仮定し....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
どんなに嬉しいかわかりません」 「爺さんに犯罪意志の無かったことは十分に認める。
情状酌量すべきものが十分ある。併し死体遺棄罪として一応は検事局へ……それから、西....
「放浪」より 著者:織田作之助
が、尻はまくらなかった。 間もなく順平は送局され、一年三ヶ月の判決を下された。
情状酌量すべき所無いでもないが、都亭主人を欺いて社会にとって危険極る人物となり、....