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情義
「情義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
情義の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
、しかしそれをすら押し除《の》けて、彼女は特に自分を引き抜いてくれたという社長の
情義に飛びついていった。 「じゃひとつ、相互扶助というわけでぜひともお頼みします....
「道草」より 著者:夏目漱石
たい、その代り向後《こうご》一切無心がましい事はいって来ないと保証するなら、昔の
情義上少しの工面はして上げても構いません」 「ええそれがつまり私《わたくし》の来....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
亘《わた》る生物全体の進化論と、(ことに)物理の原則に因《よ》って無慈悲に運行し
情義なく発展する太陽系の歴史を基礎として、その間に微《かす》かな生を営む人間を考....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
分からは三度も訪問しても友人は一度も来ないようなことが多い。こうなると友人という
情義があるのかないのかわからなくなってしまう。腹の底の奥深い所に、怨嗟の情が動い....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
遺稿を公刊するに至った順序をも併せ記したものである。高潔婉麗の筆、高雅端壮の文、
情義兼ね至り、読者をして或は粛然|襟《えり》を正さしめ、或は同情の涙を催さしめ、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
依姫系統の方は至って陽気で、進んで人中にも出かけてまいります。ただ人並みすぐれて
情義深いことは、お両方に共通の美点で、矢張り御姉妹の血筋は争われないように見受け....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
《そむ》くの不義を咎《とが》むることなく長く交誼《こうぎ》を許してよという。その
情義の篤《あつ》き志を知りては、妾も如何《いか》で感泣《かんきゅう》の涙を禁じ得....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
不正義とか、そうしたことを離れて、ただの子として、親として、妹として、兄としての
情義、真逆――例えば、八郎太の死骸を葬るとしても、一遍の念仏も唱えずに、無分別な....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
弦之丞が、せっかく手に入れた秘帖の一端を裂いて老人へ贈ったのは、それに酬う武道の
情義であった。いいかえれば、恩讐を超えた心と心の答礼だった。 「ありがとうぞんじ....
「三国志」より 著者:吉川英治
するに、王佐の藩屏として、国家の必要上設けられたものであって、漢中王とあなたとの
情義や信任の度をあらわしたものではありません。おそらくあなたは、むかし桃園に義を....