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惚れる
「惚れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
惚れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
一度こう繰返した。
「だから僕の場合はこうなんだ。――女が嫌になりたいために女に
惚れる。より退屈になりたいために退屈な事をする。その癖僕は心の底で、ちっとも女が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、繻子奴に扮装ったかれの姿は、ふだんの見馴れているおこよすらも思わずしげしげと見
惚れるくらいであった。そのおていちゃんが行方不明になったのである。 勿論、楽屋....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ますが、あんたあの方に、どのくらい惚れていらっしゃるんです。まあ、お許婚だから、
惚れるの惚れないのという係り筋は通り越していらっしゃるんでしょうけれど」 する....
「春昼」より 著者:泉鏡花
すまい。恋は叶う方が可さそうなもんですが、そうすると愛別離苦です。 唯死ぬほど
惚れるというのが、金を溜めるより難いんでしょう。」 「真に御串戯ものでおいでなさ....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
の格子織のオーバーを着込んで、ゆったりと門の中へ入って行く姿は、女ではなくとも見
惚れるほどのすばらしい美男の紳士だった。 「あの殿御ですよ。初めて今福さんのお嬢....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
うしろ向きに乗出して、獅子頭を視めつつあり)老人じゃ、当|館奥方様も御許され。見
惚れるに無理はないわいの。 朱の盤 いやさ、見
惚れるに仔細はないが、姥殿、姥殿は....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
億年と推定される。その広大な大宇宙の中において、わが地球人類が最高の智能者だと自
惚れる者があったら、その者はどうかしている。わが地球人類はわずかに今から四五十万....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
「娘」を一人|絵取り出した。それは実際にはありそうも無い「娘」だった。曲馬の馬に
惚れるような物語の世界にばかり棲み得る娘であった。この嘘を現在の自分として今夜の....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
からだよ。坊ちゃんは小親さんに惚れたのね。」 皆|哄と笑う。 「惚れやしない、
惚れるもんか。」 「だってお気に入ったんでしょう。佳い人だと思うんでしょう。」 ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
せぬ。」 夫人はこれを聞くうちに、差俯向いて、両方引合せた袖口の、襦袢の花に見
惚れるがごとく、打傾いて伏目でいた。しばらくして、さも身に染みたように、肩を震わ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
暖まる法、飲まずに酔う法、歩行かずに道中する法、天に昇る法、色を白くする法、婦の
惚れる法。」 四 「お痛え、痛え、」 尾を撮んで、にょろりと引立....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
に蒔いた秋草が実に見事で、塗も時代も分らない私だけれども、精巧さはそれだけでも見
惚れるばかりだったのに、もう落雁の数が少なく、三人が一ツずつで空になると、その底....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
晴らしいもので、私がそれに乗って外出をした時には、道行く者も足を停めて感心して見
惚れる位でございました。ナニ乗者に見惚れたのではないかと仰っしゃるか……。御冗談....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
れは本物で御座いますよ。初めて男の優しさを知ったので御座いますからね。でもお玉が
惚れるのも道理で御座いますよ。あんな立派な殿様は、羽田の漁師町にはありませんから....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
―、現場を見ないんだからねえ」 「じゃ、見せてやろうか」 「オホホホ。そんなに己
惚れると失敗するわよ。耻を掻かせるといけないから、今日はおあずけにして、またこの....