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「惚れ惚れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

惚れ惚れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
ッと頭を縛めつけた。 「さあ、出来上った。――まあ貴方、よく似合うのネ。ほんとに惚れ惚れするようないい女になってよ、まあ――」 鏡があれば、ちょっと僕も覗いて....
骨董」より 著者:幸田露伴
うはない、すっかりその高雅妙巧の威に撲たれて終って、堪らない佳い物だと思い込んで惚れ惚れした。そこで無理やりに千金を押付て、別に二百金を中間に立って取做してくれ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
上がった傷がふるいつきたいようです。 「いちだんとお見事でござりまするな。京弥、惚れ惚れといたしました」 「では、惚れるか」 「またそんな御笑談ばっかり。お門違....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
暫し見守っていたが、伯楽よく千里の馬を知るとはまさにこれです。 「ほほう、眉間に惚れ惚れと致す刀像が見ゆるな。何ぞ物を言いそうな向う傷じゃ。これよ、石斎、石斎―....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、このように紅緑白の三色をカッキリと染めるのが実に美しいと、温泉宿の主人は、さも惚れ惚れとするように話をしてくれる、私は親友水彩画家、大下藤次郎氏が、ある年七月....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
「やあ、さすがはルウベンス。いいもんだなあ」 男賊は、広い肩を左右へ張って、惚れ惚れと画面に眺め入った。しばらくすると、彼の左の腕に、柔く力が加わった。女賊....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
の前へ立たないと自分の顔は見えなかった。――乃公はそこでいつも勇ましい自分の顔を惚れ惚れと見つめるのだった。ヴィクトル・エマヌエル第一世はこんな顔をしていたよう....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
つ華やかなお嫁入りを悦ぶものの如く、口辺に薄笑さえ湛えているのであった。 杜は惚れ惚れと、棺桶の花嫁をいつまでも飽かず眺めていた。―― この静かな家の中の出....
堕落論」より 著者:坂口安吾
男の死に方には同感するが、私はハラキリは好きではない。 私は戦きながら、然し、惚れ惚れとその美しさに見とれていたのだ。私は考える必要がなかった。そこには美しい....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、又、時にはコソ泥式の忍び込みもするところなども通算して一つの風流をなしている。惚れ惚れする武者ぶりだ。どこかバルザックの武者ぶりに似ている。大芸術というものは....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
丈はスラリとして痩型の色の白い、張りのいい細目の男らしい、鼻の高い、私の眼からも惚れ惚れとするような、嫉ましいほどの美男子であった。 私は毎朝この青年の立派な....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
よく知っている者は女である。その女が工夫して演ずる男役は、女から見たら実物以上の惚れ惚れする男性が演ぜられているわけだ。そこが宝塚の男役の非常に輝くところである....
おせん」より 著者:邦枝完二
のように綺麗だのう」 「おや、朝ッからおなぶりかえ」 「なぶるどころか。おいらァ惚れ惚れ見とれてるんだ。顔といい、姿といい、お前ほどの佳い女は江戸中探してもなか....
」より 著者:岡本かの子
なければならないのだと思った。いまいましいような悲しい人生だと思った。しかしまた惚れ惚れとするような因果応報の世の中でもあると思った。 だが、加奈子は、もう、....
魔性の女」より 著者:大倉燁子
赤味がさして、酒にうるんだ眼が美しく見えた。桃子はコップを唇に持って行きながら、惚れ惚れと彼の顔に見入っていたが、 「私はあなたが好きなんだから、奥様が怒っても....