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惟う
「惟う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
惟うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
分出してきょろきょろと見ながら、嬉しそうに、羽を揺って後から颯と飛んで行く。……
惟うに、人の子のするかくれんぼである。 さて、こうたわいもない事を言っているう....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、外へ出たと見ると同時に、明かにその両眼を※いた瞳には、一点も睡そうな曇が無い。
惟うに、乗合いの蔭ではあったが、礼之進に目を着けられて、例の(ますます御翻訳で。....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
そこには動かすことの出来ない実際的|睿智が動いているのを私は感ずることが出来る。
惟うに動物には、ダーウィンが発見した以外に幾多の本能が潜んでいるに相違ない。そし....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
うな立派な茶のことである。 一|椀喉吻潤い、二椀|孤悶を破る。三椀枯腸をさぐる。
惟う文字五千巻有り。四椀軽汗を発す。平生不平の事ことごとく毛孔に向かって散ず。五....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
高脚の盃を挙げた。而して恐ろしい声を一斉にわッと揚げた。彼は冷汗に浸って寤めた。
惟うに彼は夢に畜生道に堕ちたのである。現の中で生きた人を喰ったり、死んだ死骸を喰....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
じん》もない物は、かかる身長く脚と眼衰え、退化した蜥蜴諸種から作り出されたものと
惟う。したがって上述の諸例から推すと、西洋で専ら竜を二足としたのも、実拠なきにあ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
に故と知らねど、あるいは情欲発動の節至って、匹偶《つれあい》を求むるよりの事かと
惟う。諸邦殊に熱地にはこんな事多かるべく、伏蔵ある所においてするもしばしばなるべ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
れないで、一人で密と、……日盛もこうした身には苦にならず、町中を見つつ漫に来た。
惟うに、太平の世の国の守が、隠れて民間に微行するのは、政を聞く時より、どんなにか....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
い。顔ぞと見る目鼻はないが、その笠は鴨居の上になって、空から畳を瞰下ろすような、
惟うに漏る雨の余り侘しさに、笠欲ししと念じた、壁の心が露れたものであろう――抜群....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
後、一年わが県に洪水ありて、この町流れ、家の失せし時にも何の音信も無かりしとか。
惟うに、身を恥じていずくにか立去りたまいしならむ。かの時の、その夜より、直に小親....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
引いたのである。 廉平は頂の靄を透かして、足許を差覗いて、渠等三人の西洋婦人、
惟うに誂えの出来を見に来たな。苫をふいて伏せたのは、この人々の註文で、浜に新造の....
「省察」より 著者:デカルトルネ
ことを敢えて致し得るような仕方で、追求したのであります。なおまた私は、これらは、
惟うに、人間の智能にとりましてはさらにすぐれた根拠を発見し得るいかなる道も開かれ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
れぬが、日ごろ細心を誇る真名古の振舞としては、チト受取りかねる節があるのである。
惟うに、この品々には何かよほどの重大な秘密が含まれているのに違いない。慎重緻密な....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
のは、二度目を配る夕景の牛乳屋の若者で、言い棄てると共に一軒置いて隣邸へ入った。
惟うにこの横町へ曲ろうという辺で、処を聞いたものらしい。加茂川の邸へはじめての客....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
武青竜はいざ知らず、斯界の虎! はたその老齢の故に、白虎と称えらるる偉匠である。
惟うべし近常夫婦の塚に、手向けたる一捻の白饅頭の活けるがごとかりしを。しかのみな....