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「惟然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

惟然の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
るような心持ちである。余は鶏の写生をやめて、同じページの端《はじ》に、 春風や惟然《いねん》が耳に馬の鈴 と書いて見た。山を登ってから、馬には五六匹逢った。....
風狂私語」より 著者:辻潤
風狂私語 辻潤 ▼自分は風狂人の一種だ。俳人なら惟然坊のような人間だ。ただ俳句がつくれないばかりだ。嘘のような話だが殆どつくった....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ならない。 出来の悪い冬瓜の末生を見ると、じき思い出されるのは、風羅念仏の俳人惟然坊の頭である。この俳人は生れつき頭が柔かいので、夜寝るのに枕の堅いのが大嫌い....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
すか。それはやはりあなたも素人観《しろうとかん》の御多分に漏れません。よく一茶を惟然《いねん》や大江丸《おおえまる》に比較して、滑稽詩人の中へ素人《しろうと》が....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
十日(葉書) 先刻はありがとう存じます。その節の馬の鈴と馬子唄の句は、 春風や惟然が耳に馬の鈴 馬子唄や白髪も染めでくるゝ春 と致し候。やはり同程度ですか。 ....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
かつて一度は同じ連衆に参加した者の間にすら、後々は異説を生じ、越人と支考、許六と惟然などは互いに罵りまた争っていたのである。後世の追随者には誤解も師説であって、....