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惨め
「惨め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
惨めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
永久にその嬲りものになっているのだ。 ところで私は年をとると、物ごとの怖ろしい
惨めさ、努力などの何の役にも立たぬこと、期待の空なこと、――そんなことはもう諦念....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ここかしこにむら立つ針葉樹の木立ちや、薄く炊煙を地になびかしてところどころに立つ
惨めな農家、これらの間を鋭い刃物で断ち割ったような深い峡間、それらが特種な深い感....
「親子」より 著者:有島武郎
はあったとしたら帳簿を調べてみるがいい、きっと損をしているから」 「農民をあんな
惨めな状態におかなければ利益のないものなら、農場という仕事はうそですね」 「お前....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
見出すことができなくなつたのが私には何よりも悲しい。それはどんな物質的欠乏よりも
惨めだ。心の余裕は物質の窮迫を克服する力を持つている。逆境のどん底に楽天地を発見....
「転機」より 著者:伊藤野枝
ててもとのままに横たわっている。 「なぜこのように広い、その豊饒な土地をこんなに
惨めに殺したものだろう?」 もとのままの土地ならば、この広い土地いっぱいに、春....
「米」より 著者:犬田卯
金は蓄めたか知れないが、そのためにどんなに自分たち兄妹――兄及び弟の三人のものが
惨めな境涯に陥ちたことであったろう。そのため家を飛び出した長兄は他郷に死し、祖父....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
はり、昼も夜もブンブン鳴りどおしだ(sausen und brausen)。僕が
惨めな生活をしているといっても誇張ではない。二年ほど前から僕は社交の場所をすっか....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
さて私は、その日から、痔の治療をうけることになった。何かにつけ、娑婆とは段違いに
惨めな所内ではあるが、医務室だけは浮世並みだった。 「少し痛いが、辛抱しろよ」 ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ュースを一語のこらず聞いているせいだったであろう。 ラジオ受信機のない家こそ、
惨めであった。区役所の用務員、浅川亀之助一家は、その種類に入る家だった。 「おい....
「地球盗難」より 著者:海野十三
。……」 義足の男は、佐々の身体を向うへ突きとばした。俘囚というものが、いかに
惨めなものであるかということを、二人の盟友は別々に同じ事を感じ合った。向うへつれ....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
から捜査課長大江山警部などの、刑事部首脳が駆けつけてくるまでの帆村荘六は、滑稽な
惨めさに封鎖されていた。 「外山君」と大江山課長は、その警官の名を呼んだ。 「帆....
「蠅男」より 著者:海野十三
官に、逆手をとられ、あわれ酔払いの帆村は、高手小手に縛りあげられてしまった。その
惨めな姿がこの歓楽街から小暗い横丁の方へ消えていくと、あとを見送った弥次馬たちは....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
ほどの超人的女性の俘囚となってしまって、今は黄色い悲鳴をあげるしか術のないいとも
惨めな有様とはなった。 「あなた。きょうはまるで元気がないのネ。どうかしたの」 ....
「赤兵の歌」より 著者:江森盛弥
まって来たのだ! さア、時が来たんだ! 素晴らしい生活が始まるんだ! もう昨日の
惨めな俺じゃないぞ。 昨日の俺じゃないぞ。 いいか、いいか、いいか! しっかりや....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
だ。私は一人後に取り残されたんだ。死んで行く者よりも、後に取り残された者のいかに
惨めだかを少しは考えてみろ、それなのにああして笑いながら話をしている。私はお通夜....