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惨烈
「惨烈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
惨烈の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白菊」より 著者:夢野久作
たるい芳香の中で、一斉に喚び醒まされたのであった。その中からモウ一つ更に、極度の
惨烈さにまで尖鋭化され、変態化され、猟奇化されて来た或るものが、トテモ抵抗出来そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れた時に、飲まされた当人が黙って堪《こら》えている以上は、外から見て、その苦痛や
惨烈の程度がわからないのはあたりまえのことであります。 駒井家の邸内は沸騰しま....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
し、糜爛し、毒化しつつ在る強烈な西洋文化のカクテルの中に、所謂|白禍の害毒の最も
惨烈なものを看取したに違いない。資本主義文化が体現するところの、虚無思想、唯物思....
「父杉山茂丸を語る」より 著者:夢野久作
るでしょう。白人の武器とする科学文明、白人の外交信条とする無良心の功利道徳が作る
惨烈なる生存競争、血も涙も無い優勝劣敗掴み取りのタダ中に現在の日本が飛込むのは孩....
「三国志」より 著者:吉川英治
と先手のぶつかり合った波頭線の人馬は、血けむりに赤く霞んで、双方の喚きは、直ちに
惨烈をきわめた。すると、たちまちに四散して、馬前、人もなき鮮血の大地を蹴って、 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
らざるを得なかった。彼はまたも、敵の仕掛けた戦に誘われて戦った。この日の戦闘も、
惨烈をきわめたが、結果は、魏の大敗に帰してしまった。 「どうも、こんどの遠征は、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。雲の低い夕方である。暗くなるのが早かった。 そのころ羅生門方面のたたかいも
惨烈をきわめていた。まっかな光焔と黒けむりのうちに、昨日からでは千をこえる敵味方....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
は十月にはいったばかりのこと。 彼にひきいられた一軍は、血と泥と疲労にまみれた
惨烈なかたまりをなして、瀬田方面から逢坂をこえてきた。――近江で大勝したのである....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た、いくらでも後備を繰り出すこともしよう。 「これからは」 と、顕家はいよいよ
惨烈な苦戦を思う。 なにしろ頼む味方の中堅は、長途の疲労からまだ充分に脱けきれ....