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「想像上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

想像上の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
ろうか」 この疑いは津田にとって全く新らしいものであった。夫人の本意に到着する想像上の過程を描き出す事さえ彼には困難なくらい新らしいものであった。彼はこの疑問....
社会時評」より 著者:戸坂潤
議士がなぜ滝川教授を選択したかは、本当の処は判らないにしても、一つの仮定を置けば想像上はよく判る。教授は法律学者であり法律の中でも特に切実な刑法の学者だ。処で滝....
」より 著者:豊島与志雄
うか、とかそんなことを話しながら、夜の中を走ってる汽車と、それに関連するいろんな想像上の椿事とが、心の奥に巣くってきました。そして二人は、遠くを見守る心地で、お....
条件反射」より 著者:豊島与志雄
い。それをふと、神経質な彼女は自分の身に感じだして、堪まらなくなったのであろう。想像上の条件反射ということがあり得るならば、自我主義の潔癖な彼女は、或は、生きながら死を経験したかも知れない。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
におけると同じく、幼時の薄ら明るみの中に浮動しているものである。 しかしそれら想像上の恐れは、やがて大なる恐怖の前には消え失せなければならなかった、あらゆる人....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
けが》して結婚すべきことを――情人をもつの権利を――主張していた。パリー人らは、想像上においても実行上においてもあまりに姦淫《かんいん》をやり遂げたがために、そ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
う見分けがつかなかった。彼もその話を聞きながら狼狽《ろうばい》して、真実の危険と想像上の危険とを識別することが、彼女よりさらにできなかった。人々からあとをつけら....
女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
った。 然し、彼自身、疑念を懐いた。柿沼の死が他殺で、自分がその共犯人だとの、想像上の奇怪な疑念だった。彼は夜遅くまで酒を飲み歩いた。 翌日午頃、彼は記者を....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
これら不断の圧迫に加うるに更に無数の不時の搾取がある。時には全村が事実上のまたは想像上の罪過の故をもって貢納を課せられる。知事の交迭ごとに一方的にきめた贈物を取....
経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
る (三四)異る職業における率のある相違はこれらの各々の職業における真実のまたは想像上の便益の存在によって説明される 第五章 労賃について (三五)労働の自....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
知らん。わしには何のことかわからん。」という返事をすることもあった。 そういう想像上の会話の後に、この旅客は、その憐れな人間を掘り出してやるために、空想の裡で....
妖怪学」より 著者:井上円了
前もしくは十年前に経験したるものの夢 二十七種 平常思想中に存せしもの、および想像上に存せしものの夢 二十五種 想像上に存せず経験上に現ぜざりしものの夢 ....
肌の匂い」より 著者:三好十郎
トリとなつています。一人でいながら、まるで目の前に相手が居るように、そして、その想像上の相手にからみ付いたり、離れてじらしたり、近寄つて抱きついたりするんです。....
山の人生」より 著者:柳田国男
、諺までもできたのである。だんだんこんな者が村に来なくなってから、単に子供を嚇す想像上の害敵となって永く残りその子供がまた成人して行くうちに、次第に新しい妖怪の....