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想到
「想到〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
想到の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
、しかし孤独という者はとうてい虚無に等しかったのである。私が一度認識という事実に
想到するとき絶対的の孤独なるものは所詮成立しなかったからである。われらは認識する....
「海底都市」より 著者:海野十三
ついて夢を持つことをしらず、従ってその夢から素晴らしい現実の発展が起こることにも
想到《そうとう》しなかった。ああ哀《あわ》れなりし人類よ……」 カビ博士は、日....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
西枝と烏啼天駆の関係が明白となった以上、もう一つの烏啼天駆対安東仁雄の関係が当然
想到されるのだ。そしてこの第三関係の深刻の程度は、他の二つの関係によって決まる。....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
吾吾日本人は世界の地震帯に縁取られ、その上火山系の上に眠っているわが国土の危険に
想到して、今さらながら闇黒な未来に恐怖しているが、しかし考えてみれば、吾吾は小学....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、日の暮るるまで山を見つめて泣くことがある。
自然を見ることによって、人事に
想到し来《きた》るから、それで泣けるのでありましょう。金峯の山を見れば、その眼下....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
された小さな声を、懸命に聞き取ろうとしている様子だった。 やがて、何か重大事に
想到したように、彼女の眠が、細くなった。 『し――いっ!』 と言うのである。 ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を横切ったことのない者は、その動乱に交じって妙に静穏な瞬間があることを、おそらく
想到し得ないだろう。人々は行ききたり、語り、戯れ、ぶらぶらしている。霰弾《さんだ....
「白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
示するものです。この問題を解く前に私は、あの晩犬が騒がなかったという重大な事実に
想到しました。シムソン事件のおかげで私は厩舎に犬の飼ってあることを知りましたが、....
「些細な事件」より 著者:井上紅梅
だ時々想い出し、わたしはこれに因《よ》って時々苦痛を押し切り、つとめて自分自身に
想到しようとする。幾年来の文治と武力は、わたしが幼少の時読み馴れた「子曰詩云《し....
「「壇」の解体」より 著者:中井正一
いわゆる「批評」なるものが、実はやはり一つの不安なる群れ評壇を構成していることに
想到する時、むしろ世の中は朗かである。羊に対して獅子もやはり方陣を組んで呻ってい....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
説けども、米国が最近二十余年来、読書趣味、図書館趣味の養成に全力を傾倒せる事実に
想到する者少なし。一九一三年現在同国学校に附設せる図書館の数は 蔵書 五、〇〇....
「全体主義」より 著者:国枝史郎
めて卒直なる科学的なる、唯物的なる、実証的なる思想によって裏付けされていることに
想到するであろう。 全体主義に哲学が無い、思想が無いなどと云為されて来たことが....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
めるに至った兄は、いまさらのように天地のひろさを思い祖国のために尽くす新しき道に
想到したのであった。そしておのが手で守りたててきた東京美術学校を去って橋本雅邦そ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
わば履歴書に註釈加えたに過ぎないので、平板なる記実にもし幾分たりとも故人の人物を
想到せしむるを得たならこの一篇の目的は達せられている。更に進んで故人の肉を描き血....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
風の趣を見出したのであります。反言すれば秋風の趣に案じ入っているうちにこの人事に
想到したのであります。 我が身に腸無しや秋の風 ふと考えてみると何だか自分の体....