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愉快
「愉快〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愉快の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
その中には必ず彼女の檀那《だんな》の亜米利加人も交《まじ》っていたのであろう。)
愉快そうに笑ったり話したりし出した。
「イイナだね。」
「うん、イイナだ。」
....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
なかった。しかしそれ以来三度に一度は水を持って行かなければならぬお鈴を見ることは
愉快だった。従ってこう云う彼女には子供たちの喧嘩《けんか》も不快ではなかった。彼....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《うちまく》の不品行を素《す》っぱぬいて聞かせましたが、中でも私の心の上に一番不
愉快な影を落したのは、近来はどこかの若い御新造《ごしんぞう》が楢山夫人の腰巾着《....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
中にも、こう云う寺院が聳《そび》えている。して見ればここに住んでいるのは、たとい
愉快ではないにしても、不快にはならない筈ではないか? が、自分はどうかすると、憂....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ません。僕はたびたびゲエルといっしょにゲエルの属している倶楽部《クラブ》へ行き、
愉快に一晩を暮らしました。これは一つにはその倶楽部はトックの属している超人倶楽部....
「彼」より 著者:芥川竜之介
りでやって来たよ。生体解剖《せいたいかいぼう》の話や何かして行ったっけ。」
「不
愉快なやつだね。」
「どうして?」
「どうしてってこともないけれども。……」
....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の体が、不意に妙な憎悪《ぞうお》の念を燃え立たせる事も時々あった。
牧野は始終
愉快そうに、ちびちび杯《さかずき》を嘗《な》めていた。そうして何か冗談《じょうだ....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
あった。そうして、その集注されていると云う事を意識するのが斉広にとっては、かなり
愉快な感じを与えた。――現に彼には、同席の大名に、あまりお煙管が見事だからちょい....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
。彼はただ、春風《しゅんぷう》の底に一脈の氷冷《ひれい》の気を感じて、何となく不
愉快になっただけである。
しかし、内蔵助《くらのすけ》の笑わなかったのは、格別....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
た。おとなしい美津に負け嫌いの松の悪口《あっこう》を聞かせるのが、彼には何となく
愉快なような心もちも働いていたのだった。
店の電話に向って見ると、さきは一しょ....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
しての貪婪が、あらゆるものから養分を吸収しようとする欲望が、露骨に感ぜられるのは
愉快である。 今日の流俗は昨日の流俗ではない。昨日の流俗は、反抗的な一切に冷淡....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
憐なりし。峠を越え山を下り野にはいろいろの春の草、峰にも尾にも咲きまじる桜、皆な
愉快と悲痛と混じたる強き感じの種となりて胸につかえたる碓氷も過ぎ、中仙道を熊谷ま....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
一方では王立協会の前途について心配し、なおその一節には、 「旅行から受くる利益と
愉快とを貴ぶことはもちろんである。しかし本国に帰ろうと決心した事が度々ある。結局....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
魔どもはすべて雲散霧消し、悪魔がいようと、また、それがどんな仕業をしようと、彼は
愉快な人生をおくったにちがいない。もっとも、それは、幽霊や、悪魔や、あるいは魔法....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
している時でも、山で炭を焼いている時でも、太郎右衛門は、子供のことを思い出すと、
愉快で
愉快でたまりませんでした。「早く仕事を終えて子供の顔を見たいもんだ。」と心....