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愉悦
「愉悦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愉悦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
え方が許されるのであったならば、自然の変化のかような記述によって生じる満足の念は
愉悦の最高度に引き上げられるであろう。渾沌の中から整然たる秩序と巧妙な系統を作り....
「随想」より 著者:上村松園
もまた争論も生れる、しかしよくも悪くもこれは過去をふりかえった時には、微笑ましい
愉悦さを覚えしめるものと私は思えてならない。 (昭和十三年)....
「若き姿の文芸」より 著者:小川未明
ない。此の意味に於て芸術は、常に永久性を持っているものである。芸術の与うる感じは
愉悦の感じでなければならぬ。男性的のものゝ中にも女性を帯びたものでなければならぬ....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
その間、私が万事取り仕切ってまめまめしく働き、ほとんど、触らんばかりの身近にいる
愉悦を、パドミーニがきて妨げられまいとしていたのだ。私は、心のなかで、チェッと舌....
「三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
を帯びている。彼はどう考えても死ぬということが嫌であった。彼の過去の生活は安逸と
愉悦とにみちていた。彼はこの世の中ほど面白い所がほかにあるとは思えなかったのであ....
「くちこ」より 著者:北大路魯山人
トロと長く糸を引くやつを、一筋舌の上に乗せ、無上の味覚に陶酔し、顔面筋肉は、心の
愉悦を表現して、やや弛緩する。そのころ、燗酒ひと口、ぐっと呑み干す。味覚、味覚…....
「「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
まいか。つまり人々が犯罪に興味を持つのは、悪を恐怖するというよりも、何となく悪に
愉悦を感ずるからだと私は解釈したいのである。然るに、悪いことをすれば、法律という....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
咽喉仏が一度上下致しました。これを見た私は、幾分か彼の心を動かし得たことを思って
愉悦を感じました。若し私の推定するごとく、嫉妬のために行われた殺人であるとすれば....
「地上」より 著者:島田清次郎
一郎に思われなかった。しかし芸術的な陶酔には似通っている。彼は会堂に溢れる甘美な
愉悦を見つめながら、彼自身それに酔う気はしなかった。 (女性的で、楽天的で、悦び....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ェへ! こうなると私たちには何らの恐怖も危惧もない。あるのはただこみ上げてくる
愉悦と単純な驚異の連続だけだ。 洋々たる「空の怒濤」。 おとこの雲。 おん....
「読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
者たちがたった一語の意味を判読し発見するまでに費やした辛苦とそれを発見したときの
愉悦とは今から見れば滑稽にも見えるであろうが、また一面には実にうらやましい三昧の....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
るのと彼が最上位にあるのとの違いだけだ。彼の生涯はすべてどの瞬間も、光栄と権威と
愉悦と恍惚ばかりである。彼のまわりは、愛と尊敬と崇拝とに満ちている。もっとも高い....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
な夢に彼は吸い寄せられる。河水の騒々しい基調の上に、急調の律動《リズム》が激しい
愉悦をもって飛び出してくる。そしてそれらの節奏《リズム》のまにまに、棚《たな》に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
しいあるいは楽しい面影の間に漂っている、自分の夢想の定かならぬ揺めきに、黙々たる
愉悦を味わった。 しかし彼女は音楽よりも、その音楽家の方にいっそう興味を覚えて....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
なかった。注目するのが不愉快なようなものは、自分の判断の適宜な安静と自分の生活の
愉悦とを乱されるのを恐れて、いっさい見ることを欲せずまた見もしないという、ゲルマ....