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愉楽
「愉楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愉楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
イン、ツワイ、ドライ。アイン、ツワイ、ドライ。よし。 ああ消えはてし 青春の
愉楽の行衛《ゆくえ》 今いずこ 心のままに 興じたる 黄金《こがね》....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
》とは貴女《あなた》さまじゃ。毘沙門天《ヴィシュラヴナ》の富、聖天《カネシャ》の
愉楽を、おう、われに与えたまえ」
ケティには、なんでそういわれたのか、考える頭....
「老年と人生」より 著者:萩原朔太郎
遠な情趣を知り、したがってまたその情趣を味《あじわ》いながら、静かに生きることの
愉楽を体験した。それは父の死によって遺産を受け、初めて多少物質上の余裕を得たこと....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
恋などとはたかのしれたものだ
散る思いまことにたやすく
一椀の飯に崩折れる乞食の
愉楽
洟水《はなみず》をすすり心を捨てきる
この飯食うさまの安らかさ
これも我身....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いで、こうして、あたり前の百姓として藁《わら》を打っているところに、無上の平和と
愉楽のあることを思えば、世間の見るところと、求めるところと、本心のそれとは、みな....
「源氏物語」より 著者:紫式部
験を持たぬ源氏は、一切を切り放して気にかけぬこととして、恋人とはばからず語り合う
愉楽に酔おうとした。 源氏は昼ごろに起きて格子を自身で上げた。非常に荒れていて....
「源氏物語」より 著者:紫式部
とお思いになって、私のためにはただ人の功徳になることをなさればよろしい。この世の
愉楽をわが物としておいでになる時にも後世のことを忘れぬようになさい。私の志す世界....
「源氏物語」より 著者:紫式部
っておいでになった。 「ずいぶん長い年月が私をああした遊びから離していた。人間の
愉楽とするものと遠ざかった寂しい生活を今日までどれだけしているかというようなこと....
「鏡花氏の文章」より 著者:中島敦
ならぬという。しかも、一度それに慣れて了うと、今度は瞬時も離れられないほど、その
愉楽にしばられて了うのであるという。丁度これと同様なことが鏡花氏の芸術についても....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
死んでいないあなたに逢うことを許されたのは、これも神様のあたえてくだされた一つの
愉楽なのです」 そこで、カトリーヌ・フォンテーヌは次のように答えました。 「も....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
たまま残った。夜空には仄かに新月が立っていた。私は少年の髪の香を嗅ぎながら不安と
愉楽とを交々味わっていた。 「僕を可愛がって下さい」 と彼は突然言った。 「だ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
、人口を増加せんとする各政府の誤れる努力と、また指導が誤らずかつ一時的には人民の
愉楽と幸福を増進することになる努力の、最終的帰結とに、帰すべきであろう。 私は....
「金狼」より 著者:久生十蘭
もうひとりではない。赫耀たる詩人の魂をもった、このアドニスは、自分をひいて人生の
愉楽の秘所にみちびいてくれるのであろう。……葵は、そっと卓の下をまさぐった。そこ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
本来の怠惰性を克服し、人間をして土地を適宜に耕作せしめまたその幸福に必要な便宜品
愉楽品を製造せしめ得る唯一のものたる、努力への刺戟を生み出すに適しない、というこ....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
ずには居ぬ、極度な感覚風なものがあるのである。宗教画に限って、何となくひそかに、
愉楽しているような領域があるのである。近くは、吉川霊華を見ると、あの人の閲歴に不....