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意に介する
「意に介する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
意に介するの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を心得ていた。それが旧世界の堤防にぶつかって一時砕かるべき運命にあっても、あえて
意に介するに及ばなかった。社会的な革命は現今では鎮圧されるだろうということを、オ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
中の怒りは、その反対に昂まった。恋人などではないお浦が、どう左門に扱われようと、
意に介するところではなかったが、しかし、左門が、お浦をこの身の恋人と解し、その恋....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
句の如きは愛松、極堂、霽月らの諸君に伍して子規居士の傘下に集まった一人として別に
意に介する所もなかったのであろう。のみならず、この病友をいつくしみ憐れむような友....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、上衣の衣兜へまた手を入れて、顔色をかえて悄れてじっと考えた時、お若は鷹揚に些も
意に介する処のないような、しかも情の籠った調子で、かえって慰めるように謂った。 ....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
れを一般に諒解せしむべき機運を招来せん事を予期して、稀に異説の発表があっても深く
意に介する事なく、余輩にとってむしろ余技とも見るべきこの問題は自然等閑に附されが....
「変身」より 著者:カフカフランツ
クリスマスに――クリスマスはやっぱりもう過ぎてしまったのだろうか――どんな反対も
意に介することなくみんなにいっていたことだろう、と打ち明けてやる。こう説明してや....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
のいい地方武者は一人もいない。みな「おれこそは」の気ぐみなのだ。清高の失脚などは
意に介するところでない。わが手に後醍醐を捕って、賞にあずからんとする方がみな急だ....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
女にとっては、ぼくが喀血したということが非常な驚きであって、その他のことは何一つ
意に介する余裕はなかった筈だ。 ぼくが尚もじっと蹲ったままでいると、彼女は、ぼ....