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「意味深〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

意味深の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ったし、木村はなんといい出したものか迷う様子で、二人《ふたり》の間には握手のまま意味深げな沈黙が取りかわされた。その沈黙はしかし感傷的という程度であるにはあまり....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
その前に気化して直ちに運命の本流に流れ込む。人間にとっては意味の分らない、余りに意味深い、感激が熱い涙を誘い出す。そして人は強い衝動によって推進の力を与えられる....
深夜の市長」より 著者:海野十三
なたには、貸しがある、ヨイショコショ、忘れしゃんすなア……」 「ほほう、そいつは意味深な唄だネ。もっと子供らしいのはないのかなア」 「こんなのはどう?……鼻をつ....
人間灰」より 著者:海野十三
、またスタスタと向うへ行った。 「智恵のない奴は、哀れなものだ」そう云ってニッと意味深い笑いを浮べた署長は、また村尾某の陳述書を読みだしたが、 「そうそうこれを....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
の生活の中に霊光の反映を発見しなければならぬ。禅林の組織はこういう見地から非常に意味深いものであった。祖師を除いて禅僧はことごとく禅林の世話に関する何か特別の仕....
河明り」より 著者:岡本かの子
薔薇色のもある。紫色が爆ぜて雪白の光茫を生んでいるものもある。私は星に一々こんな意味深い色のあることを始めて見た。美しい以上のものを感じて、脊椎骨の接目接目に寒....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
であった。それに、もっと面白くないことは、ベラン氏夫妻が、互いに手を取り合って、意味深長な目付をしたことであった。 「僕の惨敗だ。本艇に乗組んでいる者の中で、今....
火薬船」より 著者:海野十三
、この世から息を引取っているのだった。船長ノルマンは、ポーニンと顔を見合わせて、意味深長な目くばせを交わした。 「船長ロローは、上陸したが、なにか用事があって、....
獏鸚」より 著者:海野十三
しときますがな、どうも余り深入りするとよくありませんぜ」 と門衛は改まった顔で意味深長なことをいった。 「なんだい、深入りなんて?」 「……」彼はこれでも判ら....
転機」より 著者:伊藤野枝
その握手は、二人にとっては、世間の人に眉をひそめさすような恋の握手よりは、もっと意味深いものであった。やっとのことで私の夢想は、悲しみと苦しみと歓びのごちゃごち....
光は影を」より 著者:岸田国士
うぞ、どうぞ……。長久保夫人がもし、そいつは困る、と言いさえしなければ……」 「意味深ですのね」 「いや、信州の白百合はね、谷間じやなくつて、火山の噴火口に咲い....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
雨夜の階定めの段で、三人の先輩並びに同輩の話合いの中に、中流階級の女性が恋愛的に意味深いものだと言うことを教えられる。それから源氏の自由な恋愛生活が始るのである....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
由を奪うべく縛り上げた捕縄を、人助けの渡しの綱に遣うというのは、廃物利用にも殊に意味深く覚えられるので有った。 「あれ、私が手繰りますわ」 小虎が代って手繰ろ....
草木の暗示から」より 著者:小川未明
な、どんな絵具で描いてみても、この生命の跳る色は出せないような、新緑に見入って、意味深い自然に対して、掬み尽されない慈愛を感ずる人が、幾何ありましょうか。 其....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
いか」 (三)、「宝鈔胡同の柴大人の民心把握の偉大な事蹟をたずねた方がこの際特に意味深いであろう。 満州人敦厚の“都門紀変三十首絶句”というのは多分拳匪の乱を....