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意想外
「意想外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
意想外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
外へ顔を見せないんですよ」 狂ったためしのない慧眼《けいがん》が、今度ばかりは
意想外といいたげな面持ちをつづけていましたが、かくと知らばまた右門流でした。 「....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たが、七郎兵衛一家の上に、陳述のような疑雲がかかっているとするなら、ここに事件は
意想外な方向への急転直下を始めかけましたので、捕物名人の全知全身は急激に緊張の度....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
したよ」 聞きながら、右門はじっと目をとじて何ものかをさぐっていましたが、突然
意想外なことを伝六に命じました。 「よしッ。きさま今から古着屋へとっ走って、御嶽....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
と思えば心にも余裕ができる。 道々考えるともなく、自分の今日の奮闘はわれながら
意想外であったと思うにつけ、深夜十二時あえて見る人もないが、わがこの容態はどうだ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いに、男女二人の訪客があって、その名刺をみたときオヤッと思ったほど、じつにそれが
意想外の人物だったのだ。 無疵のルチアノ――いまタマニーに風を切るニューヨーク....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
分の方にもうけがなくとも、この一割だけは田代さんの奥さんへとどけてやる。万事万端
意想外で田代さんは呆気にとられたが、この人がまた、金々々、金が欲しくて堪らない、....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
歩み寄らなくともよい。 男女二人のツナガリは常に独自のものであるから、どういう
意想外の二人が結びつくのもフシギではなく、その二人が現に在りうれば、そういう関係....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
精神はかくの如くに芸術の退化を意味すると云うかも知れぬ。 温泉心中もこれぐらい
意想外のものになると別格に扱われるが、新聞の静岡版というものは、普通、官報の辞令....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
りを見ている。それを無礼だとは思わんか。」 これには、地曳網の連中も、さすがに
意想外だったらしく、すぐには声援が出来なかった。しかし一人が思い出したように、「....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ったらいっしょに行かないか。」 大沢のこのだしぬけな提議は、三人にとって、全く
意想外だった。同時に、それは、今までの部屋の空気をいっぺんに明るくした。 「うむ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
つたわったのは、もういくぶん刺激に慣れて来た三十日の朝だったが、それがあまりにも
意想外であったために、一種のユーモアをまじえた好奇心をもって迎えられた。 新聞....
「扉は語らず」より 著者:小舟勝二
華は 罪と罰との泥水の 中に生れた悪の華……… それと同時に扉の間隙から、彼は
意想外な光景を目撃した。彼の観念の裡に、暗黒と沈黙とから形造られていたビルディン....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
といっても、べつに大した動機ではない。ただ、 「何かこう人をあっといわすような、
意想外の、破天荒なことをしてみたい」 という単純な思いつきに過ぎなかったのだ。....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
もそれは藁人形と同様で、独立心のない豪傑は人の奴隷となるだけです。ただしこの後|
意想外の発明の豪傑が出て、仏教上積極的に活発々裡に働くところの因果の理法を応用し....
「納豆の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
納豆の茶漬けは
意想外に美味いものである。しかも、ほとんど人の知らないところである。食通間といえ....