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「意表〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

意表の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
物たるを看破したりけれども、見世物小屋に起き臥しせる乞食芸人の徒ならんとは、実に意表に出でたりしなり。とはいえども渠はさあらぬ体に答えたりき。白糸は渠の心を酌《....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
はありません。在来と全く変った戦略を巧みに活用したのであります。ナポレオンは敵の意表に出て敵軍の精神に一大電撃を加え、遂に戦争の神様になってしまったのです。白い....
食魔」より 著者:岡本かの子
うな、また得意の色があった。そしてもし自分ならば、――と胸で、季節の食品月令から意表で恰好の品々を物色してみるのだった。 彼の姿を見かけると、食もの屋の家の中....
雛妓」より 著者:岡本かの子
て、ふだんは滅多にそれを使わなかった。ごく稀に彼はそれを画にも処世上にも使った。意表に出るその働きは水際立って効を奏した。 わたくしはそれを知っている故に、彼....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
―予測を許さぬことは云うまでもないのである。 ところで読者諸君は、法水の言動が意表を超絶している点に気づかれたであろう。それがはたして的中しているや否やは別と....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
り、君が堕胎させようとしたその子は、闇から闇に葬られてしまったのだよ」 法水の意表に絶した透視のために、勝敗がこの一挙に決定してしまった。 ロンネの蒼ざめた....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
思想と気分との深い融合を認め得たのである。 われわれの考えた正しい詩形の時代は、意表外の姿をもって現れた。それが日本に於ける象徴詩の出現と言うことになったのであ....
夜光虫」より 著者:織田作之助
が、名前はひょう吉……。十八歳。 豹吉の(ヒョウ)は氷河の氷(ヒョウ)に通じ、意表の表(ヒョウ)に通ずる、といえば洒落になるが、彼は氷のような冷やかな魂を持ち....
余齢初旅」より 著者:上村松園
胡粉とで一、二筆線を入れたり前額のところへ赤と黄などを塗ったりして、それらが人の意表に出た何とも言いようのない扮装をしているのであって、すべてが象徴的なのである....
ハイカラ考」より 著者:木村荘八
ことになったので、とうに明治八年の古きに、斬新無類の結婚式をやってのけて、世人の意表に出ている人。それは結婚式と云おうより結婚宣誓式ともいうべきもので、「紀元二....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
真似であったろう。「謹厳」が洋服を着たような満面苦渋の長谷川辰之助先生がこういう意表な隠し芸を持っていようとは学生の誰もが想像しなかったから呆気に取られたのも無....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
中の出来合を買って来ても必ず何かしら椿岳流の加工をしたもんだ。 なお更住居には意表外の数寄を凝らした。地震で焼けた向島の梵雲庵は即ち椿岳の旧廬であるが、玄関の....
露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
風流仏』であった。『露団々』は露伴の作才の侮りがたいのを認めしめたが、奇想天来の意表外の構作が読者を煙に巻いて迷眩酔倒せしめたので、私の如きも読まない前に美妙や....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
聞いた。ベエコンにとって、これは昂奮に値する瞬間だった。この光栄は偉大でもあり、意表外でもあり――なんの官職的な根拠もなしに、こんなにも打ち解けた形で御相談を受....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の勢いでマース川の大障害を突破して西進、特にアルデンヌ地方に前進した部隊は仏軍の意表に出でて五月十日既にセダン附近に於てマースを渡河し、マジノの延長線を突破した....