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意識不明
「意識不明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
意識不明の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬の花火」より 著者:太宰治
(数枝) だってお母さんは、あの晩にあれから階段の下で卒倒して、それっきり三日も
意識不明でいたんだもの、あの晩の事はもうずっと遠い夢のような気がするのは無理もな....
「川端康成へ」より 著者:太宰治
私は切開した腹部のいたみで、一寸もうごけなかった。そのうちに私は肺をわるくした。
意識不明の日がつづいた。医者は責任を持てないと、言っていたと、あとで女房が教えて....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
つぷり湯につかつている時、その両足を急に引き上げるのである。かくすれば忽ちにして
意識不明となり忽ちにして死は其人をおそうにちがいない。しかしてマンディー夫人の両....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
プンカンプンわからない謡曲の秘伝らしい事を繰返し繰返し質問されたが、私の推察通り
意識不明の御容態の事とて、老先生が御返事をなさる筈がない。短い息の下にスヤスヤと....
「碁の手直り表」より 著者:菊池寛
ても、一週間ばかり住んでいただけで、依然として倶楽部にいた。 直木は死前四日目
意識不明になって、ベッドから起き上って歩き出したとき、自分が「君寝ていなければダ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
、その後さっぱり現われないという報告であった。 川北先生の容態も、あいかわらず
意識不明のままで、今は帝都の中心にある官立の某病院の生ける屍同様のからだを横たえ....
「あとがき(『宮本百合子選集』第五巻)」より 著者:宮本百合子
発表禁止された。その間に四一年十二月九日から翌年七月末、巣鴨拘置所で病気が悪化し
意識不明になるまでとめておかれた。少し眼も見えるようになった一九四三年の春から秋....
「遺恨」より 著者:坂口安吾
いたり、なつかしい思いに打たれたりせず、まったく敵地に至った思い、全然アガッて、
意識不明にちかい大混乱におちいった。 ともかく、あいたテーブルにたどりついてこ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
泣き顔になった。 豊姉は心臓瓣膜閉鎖不全でよく目まいがし、ヒステリーもあった。
意識不明の状態に陥って、痙攣が来、癪のような発作があった。 カン水と言って頭の....
「魔像」より 著者:林不忘
く中で、医道《いどう》の用はこの時にありとばかり、長庵は大得意《だいとくい》だ。
意識不明の幸吉を仰向《あおむ》けに寝かして、 「ちょいと、失礼を」 なんかと言....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
ように思います」 「それで?」 「ずっと酸素吸入をしていましたが、今のところまだ
意識不明です」 「病院へ送ったろうね」 「いえ、病院に持ちこむには、行路病者の手....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
れたので、ようやく命だけはとりとめ、肺炎にもならずにすんだが、ひどい疲労と高熱で
意識不明のまま昏々と眠りつづけ、その眠りのうちに、悲しそうに身を※《もが》きなが....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
昼と夜との錯覚をひきおこすようなことになった或る不気味な日の午後、大熊老人は全く
意識不明に陥り、やがてその夕刻、脈膊も薄れて、眠るが如く大往生を遂げてしまった。....
「破れわらじ」より 著者:三好十郎
子の病気が、ひどくなって、どっと寝こんでしまい、マキ子に好意を持っている連中が、
意識不明になっているマキ子を遠まきにして見ている。この宿泊所の宿泊人達を気にかけ....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
子供のような顔をして、医者の所へ走って行った。 二 果して脳軟化症の再発による
意識不明なのだった。しかし遅くとも二三日もすれば、意識は回復するだろうとの診断で....