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愚かしい
「愚かしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愚かしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
になるのは見え透いているので、彼はそれを恐れた。古入道の彼としては、むしろそれを
愚かしいとも思った。 色紙短尺に歌を書くよりほかには能のない、又は※《おいかけ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
命付けられた畸形な天才。天才は大概片端者だという。そういえばこの端麗な食青年にも
愚かしいものの持つ美しさがあって、それが素焼の壺とも造花とも感じさせる。情慾が食....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
浅ましさ、一夫多妻、叔姪相婚、父子兄弟相|鬩ぎ、骨肉互いに啄もうとしている。……
愚かしいは迷信だ!
愚かしい迷信は捨てなければならない。あの三諸山の神体は、角あ....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
言うことをききたまえ―― あの人たちの言ったことはただの風だよ。 (14)
愚かしい者ども知恵の結晶をもとめては 大空のめぐる中でくさぐさの論を立てた。 だ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
のに効能があったようでございました。 まだ外にもいろいろありますが、あまりにも
愚かしい事のみでございますので、一と先ずこれで切り上げさせて戴きます。現在の私と....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ケットの中に入れた。 今更、木賀に対して、前川と何の関係もないと、抗弁するのも
愚かしいことであったし、と云って木賀に、どうかよろしくと、依頼する気にもなれなか....
「火の扉」より 著者:岸田国士
みが一瞬、なまめいたつやが、他愛もない子供だましになる。「健康な」という言葉ほど
愚かしいものはなくなる。そして、自分で自分にこう言う―― 「そうとも……あたしは....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
う風につくり事して、いましめて置いたのであろう。それを今も猶まことにして守るのは
愚かしい。どうじゃな、古くからの村の定法、今は何んの役にも立たぬ事を、そなた、打....
「涸沢の岩小屋のある夜のこと」より 著者:大島亮吉
まに」何の飾りもなく何の粧いもなくひき抜いてきたのである。だからそこにはあるいは
愚かしい私らの考えの一端があるかも知れない。けれどこの私の文はその内容を以って目....
「城」より 著者:カフカフランツ
れど、あの人たちの場合にはそうでないの。尊敬と感嘆との気持でわたしはあの人たちの
愚かしいふるまいを見ているんです。でも、あの二人がクラムの派遣した者なら、だれが....
「断食芸人」より 著者:カフカフランツ
、それはこういう意味ではたしかに、冷淡さと生まれつきの性悪さとが発見するもっとも
愚かしいいつわりであった。というのは、断食芸人はあざむいたりせず、正直に働いてい....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
とらえて稀に存在する名品に相似たものを再現さしてみんと、これに野心を持つことほど
愚かしいことはまたとあるまい。 過去においてなされた名品というものは、たまたま....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
悩即菩提」(迷いや欲の本性は取りも直さず悟りのもと)と言ったり、「凡聖|不二」(
愚かしい心と霊知の心と根は一つ)と言うのは、この事を指しているのです。 むかし....
「雨」より 著者:織田作之助
ぽかんと穴のあいてしまった様な自分が賭けに勝つことによって充実されるだろうという
愚かしい希望を抱いて、ロスアンゼルスに通った。二日目の白昼、活動へ連れて行った友....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
だこうして時の経つのを待っているその苦しさ。自分から求めたこととは云え、何という
愚かしいことでしょう。何か妻の事を考えると引いて麗子の事が必ず頭に浮び、それから....