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「愚論〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愚論の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
て、綿密に点検した。そうして、それが、いかなる点から考えてみても、一顧の価のない愚論だという事実を、即座に証明することが出来た。が、それにもかかわらず、一度《ひ....
恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
は激しかったろう」と大友はにこにこして問うた。 「やったとも」と朝田、 「朝田の愚論は僕も少々聞き飽きた」と神崎の一言に朝田は「フフン」と笑ったばかり。これだか....
きりぎりす」より 著者:太宰治
してお客様に、モオパスサンだって、やはり信仰には、おびえていたんだね、なんて私の愚論をそのままお聞かせしているものですから、私はお茶を持って応接間にはいりかけて....
」より 著者:太宰治
ねて来た小学時代の同級生でいまはこの町の名誉職の人に向って、そのような八つ当りの愚論を吐いた。名誉職は笑って、 「いや、ごもっとも。しかし、それは、逆じゃありま....
十二支考」より 著者:南方熊楠
史蹟保存とするがよい。要するに女人は、毒蛇よりも忌むべしなどいうは、今日に適せぬ愚論で、中古の天主徒が洗浴を罪悪として、某尊者は、幾年|浴《ふろ》に入らなんだな....
マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
のである。そうパン焼のゴーリキイはきかされた。朗読がすすむにつれ暗闇の中で、 「愚論!」 と吼える者がある。「本読みは退屈な程長くつづく。」ゴーリキイは聴き草臥....
風博士」より 著者:坂口安吾
成吉思汗の後継者太宗の事蹟にかかり、成吉思汗の死後十年の後に当る、と。実に何たる愚論浅識であろうか。失われたる歴史に於て、単なる十年が何である乎! 実にこれ歴史....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
と、例の陰陽説より割出したるこそ可笑《おか》しけれ。実に取処《とりどころ》もなき愚論にして、痴人夢を語るとは此事ならん。抑《そもそ》も陰陽とは何物なるや何事なる....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
的な、便宜的な見方がジャーナリズムから発生したなら話は分るが、世代論という珍奇な愚論は「近代文学」の批評家から現われたのだから、新世代の日本文学も暗澹たるもので....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の脾腹ぐらい、打ちようによっては刀身いっぱい刺すかも知れないのである。田舎通人の愚論ごときは物の数ではない。 脾腹へうちこまれた小柄のほかには、どこにも傷がな....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
課税の結果として生ずる差異を除いては、何も差異はない、と。 また曰く――奇怪な愚論よ――アメリカの労働者の一日の稼ぎ高は一|弗《ドル》であるのに英蘭《イングラ....
ねじくり博士」より 著者:幸田露伴
というものは愚なものだ、という事は承知するだろう。その愚なものに好と思われる論は愚論サ。僕の論は平常の人にはきっと悪くいわれるよ。ダカラ愚論でないのサ。愚論でな....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
体格からいったら獅子や虎よりも優秀だ。肉食でなければ営養が取れないナゾというのは愚論だよ。」 が、鴎外は非麦飯主義で、消化がイイという事は衛養分が少ないという....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
寺をも見るべきものだと、余輩の自信はますます強められた。一切の非再建論はますます愚論に見え出した。しかも現にそれ程の愚論の横行を許している事は、明治学界の恥辱で....
教育家の教育」より 著者:新渡戸稲造
ら生徒に日記を書かせる。毎日一行でも二行でも宜《よ》いから撓まなく書かせる。私の愚論では少し厭《あ》き易いことを繰返すということが意思の練磨になると思うので、一....