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「愛児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愛児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
(九月)名古屋市の大火は焼死者十余名に及んだが、横関《よこぜき》名古屋市長なども愛児を失おうとした一人である。令息|武矩《たけのり》(三歳)はいかなる家族の手落....
或る女」より 著者:有島武郎
ょう》したついでに、親佐が東京を去るようになったのは、熱烈な信仰から来る義憤と、愛児を父の悪感化から救おうとする母らしい努力に基づくものだ。そのために彼女はキリ....
クララの出家」より 著者:有島武郎
威厳でクララを圧しながら言葉を続けた。 「神の御名によりて命ずる。永久に神の清き愛児たるべき処女よ。腰に帯して立て」 その言葉は今でもクララの耳に焼きついて消....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
だった。 「そんなに云うなら」 と長造は、自分のお尻のそばに転っている不恰好な愛児の製作品をとりあげて云った。 「お父|様はお礼を云ってしまっとくよ」 その....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
を細らせているのだった。下手をすれば、娘の清子を棲みかえさせて、更に莫大な借金を愛児の上に掛けさせるか、それとも首をくくって死ぬより仕方がなかったのだった。詮方....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
道子夫人の話を聞いていると、なんだか彼女自身が、道子夫人のさがしている棄てられた愛児のように思えてくるのだった。房枝の胸は、早鐘のようになりだした。 「ねえ、奥....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
る。 「母アちゃん、母アちゃん」 若い女は、もう気が狂っているのでもあろうか、愛児の叫び声も耳に入らないようだ。必死にとり縋られて、どうとその場に倒れると、も....
空襲警報」より 著者:海野十三
いいのかしらと心配になって、後をふりかえった。 「おお……」 旗男は、姉とその愛児の正坊とが、それぞれの頭にピッタリ合った防毒面をかぶっているのを見て感心した....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
け離れて居るのでした。そうする中にポックリと、天にも地にもかけ換のない、一粒種の愛児に先立たれ、そのまま私はフラフラと気がふれたようになって、何の前後の考もなく....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
はない。むしろ、風間の心理の方に、あるのじゃないかね。真先に、殺すに事かき自分の愛児を殺すなんて、どうも風間の精神は、常態でないような気がする」 「うん」熊城は....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
将軍に謁見すれば、家の事に就ても新たなる恩命、慶賀すべき沙汰が無いとも限るまい、愛児の為に悪しゅうは有るまいと、空頼みと云わば云え、希望に輝く旅立であった。 ....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
出品(三等賞銅牌) 同 二十九年 「暖風催眠」日本美術協会出品(一等褒状)「婦人愛児」日本美術協会出品(一等褒状) 同 三十年 「頼政賜菖蒲前」日本絵画協会出....
迷信解」より 著者:井上円了
、観念がその形を現じて、他人の霊魂の実在を見るように思うのである。例えば、母親が愛児を失い、毎日毎夜これを心頭に浮かべて忘るることなきときは、その姿が自然に目に....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
た。どういう訳かと尋ねますと、何でも二歳か三歳の子供がありましたがその可愛盛りの愛児がこの間死んだので、私の妻はほとんど狂気のごとくに歎き私も漁に出掛けても少し....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
狂いそうです、死のう! そうだ、自分も後を追って死のう、と、さえ思いつめました。愛児を失った悲しみ! それは経験のある方でなくては到底お解りになるものではござい....