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「愛好〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愛好の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
に推賞した橋梁と天主閣とは二つながら過去の産物である。しかし自分がこれらのものを愛好するゆえんはけっして単にそれが過去に属するからのみではない。いわゆる「寂《さ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の良の字も造ったことはない。 * 良心もあらゆる趣味のように、病的なる愛好者を持っている。そう云う愛好者は十中八九、聡明《そうめい》なる貴族か富豪かで....
或る女」より 著者:有島武郎
力がなかった。生まれつき機敏に働く才気のお陰で、見たり聞いたりした所から、美術を愛好する人々と膝《ひざ》をならべても、とにかくあまりぼろらしいぼろは出さなかった....
私の父と母」より 著者:有島武郎
する。私ども兄弟がそろってこういう方面に向かったことを考えると、母が文芸に一つの愛好心をもっていたことが影響しているだろうと思う。 母についても一つ言うべきは....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ように、ギリシアの哲学ことにかの巨匠デモクリトスの哲学を賛美していた美なるものの愛好者中には、ポセイドニオスの弟子であったキケロ(Cicero 紀元前一〇六―四....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
すぎて困る。日々起こる小事件も、哲学、詩歌の高翔と同じく人種的理想の評論である。愛好する葡萄酒の違いでさえ、ヨーロッパのいろいろな時代や国民のそれぞれの特質を表....
海底都市」より 著者:海野十三
オンドリは前に集まっているトロ族たちを煽動《せんどう》した。さっきまでは彼は平和愛好者のような顔をしていたのに、今はもうがらりと変って煽動者をつとめている。なん....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
末路は、いつもこのように悲惨ですよ」 そういって、科学者の探偵帆村荘六は、彼の愛好惜まない紙巻煙草の金鵄に、又火をつけたのであった。....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
そうでもないよ」 「いや、謙遜に及ばん。余は、ああいう世界一のものに対して、最も愛好力が強い」 と、ルーズベルト大統領は艦橋から身体をのりださんばかりである。....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
長い和装の額が五枚|程かけ連ねてあります。氏は近頃漫画として鳥羽僧正の画をひどく愛好して居る様です。 画などに対しても、氏は画面そのものを愛すると同時に、その....
虫喰い算大会」より 著者:海野十三
んだものは、終生「虫喰い算」のうれしい味を忘れ得ないであろう。私も二十年来これを愛好し、時にはこれを探偵小説に組立てて書いたこともあった(海野十三作『暗号数字』....
あのころ」より 著者:上村松園
斎の絵は非常に動きのある力強い絵で、子供心にも、 「上手な絵やなあ」 と思って愛好していたものです。 貸本屋というのは大抵一週間か十日ほどで次の本と取り替え....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
四首は『蓉塘集』中の絶唱である。漢詩愛誦家の中にはママ諳んずるものもあるが、小説愛好者、殊に馬琴随喜者中に知るものが少ないゆえ抄録して以てこの余談を結ぶ。 (昭和三年四月仏誕会)....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
どという言葉を使うのは、とりわけ当を得ていないのではあるまいか。私達が探偵小説を愛好するのは、外でもない、その『尤もらしくないこと』が好きだからなのだ」 作者....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
な四条派やあるいは溌墨淋漓たる南宗画でなければ気に入らなかった当時の大多数の美術愛好者には大津絵風の椿岳の泥画は余り喜ばれなかった。椿岳の画を愛好する少数|好事....