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愛嬢
「愛嬢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愛嬢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「階段」より 著者:海野十三
て、国立科学研究所の部長級にも栄進し、郊外に赤い屋根の洋館も建てられ、大学総長の
愛嬢を是非に娶ってもらいたいということになり、凡ては小学校の修身教科書に出ている....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ぽちの腿の痛さを怺えなければならなかった。またある時は、内弟子に預けてある葉子の
愛嬢の瑠美子も出るという、年末の総ざらいの舞踊会が、雪枝の家で催されるというので....
「渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
と書棚とが、行儀よく、手を入れられて並んでいた。 まるで、結婚でもしようとする
愛嬢に持たせるような亢奮で運ばれた、これ等の女性的な、贅沢な調度を見ると、さすが....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
てたものらしい。そうして只圓翁の凜烈の気象は暗にこれに賛助した事になるので、翁の
愛嬢で絶世の美人といわれた到氏夫人千代子女史が、夫君の後を趁うて雪中を富士山頂に....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
様」であるということになる。そのような良人たちの開化の精神の位置と程度とは、我が
愛嬢を中心にお茶屋がひらけると冗談を云う大官たる作者の父親の心情と、果してどの位....
「人民のために捧げられた生涯」より 著者:宮本百合子
いて細々と書かれている中に、金銭の価値の変化によせてそれは予言されている。また、
愛嬢楊子さんの勉強方針に関して、さりげなく示されている順序も、尾崎氏が、自身の思....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
原敬《はらたかし》氏の夫人もある。原氏の前夫人は中井桜洲《なかいおうしゅう》氏の
愛嬢で美人のきこえが高かったが、放胆《ほうたん》な家庭に人となったので、有為の志....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
を交渉するとともに、一方美濃へ走った。道三に会って、信秀の長男信長のヨメに道三の
愛嬢濃姫をいただきたい、そして末長く両家のヨシミを結びたいと懇願したのである。平....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
負《お》うて立つ後日《ごじつ》の国民である。中には貴族の子もあり富豪《ふごう》の
愛嬢もあり、また学者の後裔《こうえい》もある。これらの人々を教育し、将来の日本の....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
人の行かぬデルハ岬の海岸に、二人の奇麗な娘が遊んでおった、二人ともモンテス博士の
愛嬢で、景色よき岬の上には博士の別荘があるのだ。 二人の娘は楽しそうに、波打際....
「藪の鶯」より 著者:三宅花圃
生懸命に故大人《こたいじん》の御気げんをとろうというところから。ソレ浜子さんは御
愛嬢だから。竈《かまど》に媚《こ》びるという主義から。おべっかりがあんまり過ぎて....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
んの父親の山田氏だった。 山田氏はホテルの食堂で、日ごろ尊敬する石井長六閣下の
愛嬢に対する、沼間一族の高慢無礼な仕打ちに腹を立て、義憤のあまり、報酬的に沼間家....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
筆を擱《お》いて歎息した。 初めわたしはさして苦しまずに、女主人公の老父がその
愛嬢の帰朝を待つ胸中を描き得たのは、維新前後に人と為った人物の性行については、と....
「編輯雑感」より 著者:喜田貞吉
や整理に力を用うる事の出来なかった事と、かねて入院加療中の発行主任古藤田喜助君の
愛嬢が、六月二十日逝去せられたが為に、同君が本誌に専なるを得なかった事とによって....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
地で風土病にかかって死んだのだった。 両人の関係を承知の上で、大谷伯爵が自分の
愛嬢を小田切氏に嫁った。この結婚がまた噂の種になった。必ず小田切時代が来ると伯爵....