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「愛馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愛馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
も、ひそかに敬慕している。その立派な、できた牧師でさえ、一日、馬市に自分の老いた愛馬を売りに行って、馬をいろいろな歩調で歩かせて商人たちに見せているうちに、商人....
懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
、十八歳の少年武士があった。これは、三日月のように美しい少年であった。冬の曇日、愛馬の手綱の握りかたに就《つ》いて、その作法に就いて、二人のあいだに意見の相違が....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
しじゃ。さぞ待ち遠であったろうな、今浴びさせて進ぜるぞ」 人に物言うごとくその愛馬をいたわりながら、木蔭に這入って衣類をぬぎすてると、腰に閃く源氏の御旗もさわ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
臣ではあるが、それが幕府に召されたという評判で、十五、六人の従者をつれて、秘蔵の愛馬に西洋|鞍か何かで松代から乗り込んで来た時は、京都人は目をそばだてたものでし....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
薄暗い。その薄暗い一所に、馬が静かに立っている。青草を食べているのである。君江の愛馬の鹿毛である。三浦三崎の実家から、小一郎を乗せて江戸へ出て、そのまま小一郎の....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
という医者を迎えることにした。 医者は町に住んでいた。雲林はそれを迎えに自分の愛馬を送った。馬は主人の清潔好きな癖から、毎日洗い清められて、雪のように白く輝い....
火星兵団」より 著者:海野十三
をモロー彗星からすくったとは、なんという、うつくしいことであろう。まるで戦場で、愛馬が主人の兵士を、敵弾からすくったようなものではないか。 蟻田博士を中に、千....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
おりを、もう一度おさらえして喋ってみる。 「あっ、いい忘れた。オルゴールの曲は『愛馬進軍歌』をやってくれってさ」 木曾のクマちゃん、地金を丸だしにして、あわて....
黒百合」より 著者:泉鏡花
こと三尺、全身墨のごとくにして夜眼一点の白あり、名を夕立といって知事の君が秘蔵の愛馬。島野は一目見て驚いて呆れた。しっくりと西洋|鞍置いたるに胸を張って跨ったの....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
話がございますから、序でに申上げることに致しましょう。それは私が、こちらで自分の愛馬に再会したお話でございます。 前にもお話し致しましたが、私は三浦家へ嫁入り....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
玄海はどうだ?」 「やはり弱気に過ぎまする」 「其方随意に選ぶがよい」 「殿のご愛馬将門栗毛を、拝借致しとう存じます」 「何、将門? ううむ将門か?」 最所治....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
にちがいない。じじつ、この馬はかつては例の怒りっぽいヴァン・リッパーという主人の愛馬だったのだ。ところが、この主人は狂暴な乗り手だったから、おそらく自分の性質を....
私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
分の恋をあきらめ悪人をたおし、彼女の好きな男と手を握らし、夕日をあびてトボトボと愛馬を引き小さく消えて行くフェード・アウトのラスト・シーン。馬より長いエス・ハー....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
いうことであった。 スパセニアが投身自殺を遂げた最後の日、開拓地へ残していった愛馬のジュールと、犬のペリッ……ジュールは八十五万円、ペリッは二十七万円で、それ....
はつ恋」より 著者:神西清
はうまくゆかなかった。さっぱり面白くもない夢だったり(たとえばベロヴゾーロフは、愛馬にフナを食わせたが、その馬の首が木になっていた――という夢を見た)、あるいは....