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感じる
「感じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
だにおれの記憶を離れない。こう言う今でも、おれはそれを、この蒸し暑い空気の中に、
感じるような心もちがする。
その翌日から、おれと弟とは、猪熊の沙金の家で、人目....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
でございます。ときに先生なぞは、やはりお早い方でございますか。」
馬琴は不快を
感じるとともに、脅かされるような心もちになった。彼の筆の早さを春水や種彦のそれと....
「河童」より 著者:芥川竜之介
家だと思っているがね、ああいう家庭の容子《ようす》を見ると、やはりうらやましさを
感じるんだよ。」
「しかしそれはどう考えても、矛盾しているとは思わないかね?」
....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
いけてある炭の底に、うつくしい赤いものが、かんがりと灰を照らしている。その火気を
感じると、内蔵助の心には、安らかな満足の情が、今更のようにあふれて来た。丁度、去....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
ちらかと言えば、泥濁《どろにご》りのした大川のなま暖かい水に、限りないゆかしさを
感じるのか。自分ながらも、少しく、その説明に苦しまずにはいられない。ただ、自分は....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
を歩いていた。木札はどうもO君の推測に近いものらしかった。僕は又何か日の光の中に
感じる筈《はず》のない無気味さを感じた。
「縁起でもないものを拾ったな。」
「何....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
にさす夕日の光の中に、やはり赤々と浮き上っていた。その景色が素戔嗚には、不思議に
感じるくらい平和に見えた。それだけまた今までの格闘《かくとう》が、夢のような気さ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
が、新蔵はもう体も心もすっかり疲れ果てていましたから、その不思議を不思議として、
感じる事さえ出来なかったと云います。
その晩もまた新蔵は悪夢ばかり見続けて、碌....
「夢」より 著者:芥川竜之介
した。けれども何かの拍子《ひょうし》には目さえ動かさない彼女の姿にある妙な圧迫を
感じることもない訣《わけ》ではなかった。
わたしの制作は捗《はか》どらなかった....
「親子」より 著者:有島武郎
の自信がまだ彼のほうにもできてはいなかった。だから本当をいうと、彼は誰に不愉快を
感じるよりも、彼自身にそれを感じねばならなかったのだ。そしてそれがますます彼を引....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
を加えさえすれば、僕の一生のカリカテュアだった。殊に彼の悲喜劇の中に運命の冷笑を
感じるのは次第に僕を無気味にし出した。僕は一時間とたたないうちにベッドの上から飛....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
である。 私は気分を変えようとして旅に出たこともある。だが、知らぬ他国にあって
感じる孤独が恐怖の念をいだかせた。私には自分がこの地上にたッたひとりで生きている....
「寡婦」より 著者:秋田滋
は、彼女たちは、ただ同情するだけで、そうした人たちが犯罪を犯した時でさえ、義憤を
感じるようなことは決してありませんでした。 ところがある秋のことでした。狩猟に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ったので、ご馳走はどれもこれもしこたま頂戴したのである。 彼は親切で、深く恩に
感じる人間であり、心が大きくなる度合は、腹の皮がご馳走でふくらむのに比例し、もの....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
り」という詠嘆を感じずにはいられなかった。しかしこの小さい草土手にこういう詠嘆を
感じるのはそれ自身僕には情なかった。 僕の知人は震災のために、何人もこの界隈に....