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感動
「感動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
、満足そうに黙っている。すると、その中で、鼻の高い顔だけが、思いがけなく、一種の
感動を、眼の中に現した。黒い瞳が、熱を持ったように、かがやいて来たのである。
「....
「母」より 著者:芥川竜之介
。男の顔には見る見る内に、了解の色が漲《みなぎ》って来た。
「あれか?」
男は
感動を蔽《おお》うように、妙に素《そ》っ気《け》のない声を出した。
「あれは己も....
「春」より 著者:芥川竜之介
るわね、この椅子にこうやって坐っていると。」
広子は彼女自身の言葉に少女じみた
感動を催しながら、うっとり部屋の中を眺めまわした。なるほど椅子も、電燈も、円卓も....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
の胡瓜は……』と懸河《けんが》の弁《べん》を振《ふる》っていました。わたしは当時
感動のあまり、二週間ばかり床《とこ》についたものです。」
僕「すると――すると....
「河童」より 著者:芥川竜之介
宗教を考えたことは一度もなかったのに違いありません。が、この時はトックの死にある
感動を受けていたためにいったい河童の宗教はなんであるかと考え出したのです。僕はさ....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
は彼の日本語の調子に微笑しない訣《わけ》には行《ゆ》かなかった。が、妙に内心には
感動しない訣にも行かなかった。
「あの爺《じい》さんは勿論だがね。ニニイさえ僕よ....
「葱」より 著者:芥川竜之介
。と同時にまたお君さんの眼にはまるで「不如帰《ほととぎす》」を読んだ時のような、
感動の涙が浮んできた。この
感動の涙を透《とお》して見た、小川町、淡路町《あわじち....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
でございますか? そうして頂ければ何よりの仕合せでございます。」
神父は優しい
感動を感じた。やはりその一瞬間、能面《のうめん》に近い女の顔に争われぬ母を見たか....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
わっていたりする以外に、どこかちがっているところがある。僕はその前で、ほとんど無
感動に礼をした。「これは先生じゃない」そんな気が、強くした。(これは始めから、そ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
って行った。彼は朝夕《あさゆう》静寂な谷間の空気を呼吸しても、寸毫《すんごう》の
感動さえ受けなくなった。のみならずそう云う心の変化が、全然彼には気にならなかった....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
の寓意譚《ぐういたん》は、聞くともなく説教を聞いていた、この不幸な女の心に異常な
感動を与えました。だからこそ女は説教がすむと、眼に涙をためたまま、廊下《ろうか》....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
、家来《けらい》にも見離された乱心者じゃ。」
そう云いながら、彼の声は、次第に
感動のふるえを帯びて来た。見れば、眼も涙ぐんでいる。
「世の嘲《あざけ》りはうけ....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
に腹ばいになり、敵の目を避けた角燈の光に聖書を読んでいるのであった。K中尉は何か
感動し、この楽手に優しい言葉をかけた。楽手はちょいと驚いたらしかった。が、相手の....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
のドストエフスキイに親しんでいた。が、偶然(?)彼の言った『罪と罰』と云う言葉に
感動し、この本を貸して貰った上、前のホテルへ帰ることにした。電燈の光に輝いた、人....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
まん円で、深く、澄んでいて、私はぞッとした。私は今日が今日まで、この時ほど残忍な
感動を経験したことは一度だってない。が、それはまったく短い間だった。子供は、私の....