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感得
「感得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感得の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
たしだってなんでもしますわ」
倉地は葉子が言わず語らずのうちに感激しているのを
感得していた。
「よしそれで話はわかった。木村……木村からもしぼり上げろ、構うも....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
るまいと、蜘蛛《くも》の巣のように評判が八方へ。
その頃《ころ》からいつとなく
感得したものとみえて、仔細《しさい》あって、あの白痴《ばか》に身を任せて山に籠《....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
々の現代の見解の如何に健全であるか、いかに信頼するに足るかということを一層痛切に
感得することができるであろう。 この研究からまた現代における発達が未曾有の速度....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
師と親交のあったインドの「耶羅陀耶」という坊さんが「日本が負けると大変だ。自分が
感得している仏舎利があるから、それを日本に納めて貰いたい」と行勝師に頼みました。....
「食魔」より 著者:岡本かの子
洋芸術なるものを、その範とするところの名品の複写などで味わされる場合に、躊躇なく
感得されるものがあった。檜垣の主人が持ち帰ったのは主にフランス近代の巨匠のものだ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
通りへ私は出た。 三四日、私は河沿いの部屋へ通うことを休んで見た。折角自然から
感得したいと思うものを、娘やそのほか妙なことからの影響で、妨げられるのが、何か不....
「獏鸚」より 著者:海野十三
」と帆村は続けた。「しかし僕は、この一見平凡な字句の裏に籠っている物凄い大緊張を
感得せずにはいられない。すなわち単なる幸運ではない、九十九パーセント或いはそれ以....
「我が宗教観」より 著者:淡島寒月
のを見聞きする事などが楽しみだったり、面白いので、つまり宗教を通じて外国の趣味を
感得したいというのが自分の主義です。されば信ずるものは何かといえば、「眼鏡は眼鏡....
「鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
漠の上にある淋しさにも似て」 これは全く真実の感じだ。しかしわたしは未だかつて
感得したことが無い。わたしは長くここに住んでいるから「芝蘭の室に入れば久しうして....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
狭くして深い生命の新しい兆しは、最鋭いまなざしで、自分の生命を見つめている詩人の
感得を述べてる処に寓って来る。どの家の井でも深ければ深い程、竜宮の水を吊り上げる....
「明暗」より 著者:岡本かの子
人の計いより何程かまさった真理を包含しているものなのだろうということを自分自身に
感得した智子であった。....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
包蔵する信念が直ちに私の肺腑の琴線を衝いたのであると信じて作者の偉大なる力を深く
感得した。その時の私の心持は『罪と罰』を措いて直ちにドストエフスキーの偉大なる霊....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
があっても、単に一種の踊りのお浚いに留まって、わたしたちが五代目菊五郎の舞台から
感得したような言うに言われない柔かみというようなものを味わうことは出来まい。観る....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
彷彿せしめて、一ト度グレーの講義を聞くものは皆語学の範囲を超えてその芸術的妙趣を
感得し、露西亜文学の熱心なる信者とならずにはいられなかった。二葉亭もまたこの一種....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
事か密告したものだろうと考えますが――。しかし段々日がたつにつれてやっとある理を
感得しました。そしてもうお遺骨を抱いていなくても、小田切さんの全霊は私の心の中に....