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「感心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

感心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
、 「高が犬を一匹くれなどとは、お前も余っ程欲のない男だ。しかしその欲のないのも感心だから、ほかにはまたとないような不思議な犬をくれてやろう。こう言う己《おれ》....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
もの、此邦《このくに》に夏周《かしゅう》の遺制《いせい》あるなり。」とか何とか、感心したと云うじゃないか。だから何も旧弊だからって、一概には莫迦《ばか》に出来な....
河童」より 著者:芥川竜之介
ら下げながら、息も絶え絶えに歩いていました。しかし僕は年の若い河童の犠牲的精神に感心しましたから、かえってその健気《けなげ》さをほめ立てました。 「ふん、君はこ....
校正後に」より 著者:芥川竜之介
はいられないことが多い。(そういう人は、自然派の作家の中にもいる)傾向ばかり見て感心するより、こういう感心のしかたのほうが、より合理的だと思っているから。 ○ほ....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
何かを動かしている姿は妙に我々には嬉しかったのです。しかしどうも世の中はうっかり感心も出来ません、二三歩先に立った宿の主人は眼鏡《めがね》越しに我々を振り返ると....
仙人」より 著者:芥川竜之介
すると、見物の方では、子供だと、始から手を拍って、面白がるが、大人は、容易に感心したような顔を見せない。むしろ、冷然として、煙管《きせる》を啣《くわ》えたり....
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
は逆まに舟の映ったのを見、「この間の新聞に出ていた写真とそっくりですよ。」などと感心していた。 僕等は東家《あずまや》の横を曲り、次手《ついで》にO君も誘うこ....
少年」より 著者:芥川竜之介
当然母の口から褒《ほ》め言葉の出るのを予期していた。しかし母はこの彩色にも彼ほど感心しないらしかった。 「海の色は可笑《おか》しいねえ。なぜ青い色に塗らなかった....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
られなかった。すると「王子の叔母さん」と云う或遠縁のお婆さんが一人「ほんとうに御感心でございますね」と言った。しかし僕は妙なことに感心する人だと思っただけだった....
樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
たような心もちがする。その得意になって、泣き落しているところが、はなはだ自分には感心できなかった。人をあざむくか、己《おのれ》をあざむくか、どこかでうそをつかな....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
る彼等の笑い声を聞きながら、しばらくまた渚から遠ざかる彼等の姿を眺めていた。 「感心に中々勇敢だな。」 「まだ背《せ》は立っている。」 「もう――いや、まだ立っ....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
皆うまい。日本人にやとてもああ円くは出来ないから、不思議だ。」と、つまらない事を感心し出した。朱でまるを描くくらいなら、己だって出来ると思ったが、うっかりそんな....
出来上った人」より 著者:芥川竜之介
、室生犀星茲にありと魚眠洞の洞天に尻を据えている。僕は室生と親んだ後この点に最も感心したのみならずこの点に感心したことを少からず幸福に思っている。先頃「高麗の花....
東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
るのも見にくいものゝみである。その外、電車、カフエー、並木、自働車、何れもあまり感心するものはない。 しかし、さういふ不愉快な町中でも、一寸した硝子窓の光とか....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
言った。 幾年か後に、クロッス夫人がファラデーの実験室に来た時に、学界の空気に感心したと見えて、ファラデーに「俗人の浅墓な生活や日日の事に齷齪するのとは全くの....