感情移入[語句情報] » 感情移入

「感情移入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

感情移入の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
まず自然形式としての表現について考えてみよう。自然形式といえば、いわゆる「象徴的感情移入」の形で自然界に自然象徴を見る場合、たとえば柳や小雨を「いき」と感ずるご....
仮装の妙味」より 著者:宮本百合子
。仮装のスリルは随分文学にも扱われて来た。仮装の精髄は、仮装しているものの中への感情移入であると文学は見ている。真偽の境がわれからぼやつくところにスリルがかくさ....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
えた。そしてラ・メトリは人間は動物であるが故に又機械であると考えた)。それはかの感情移入にでも依るのであるか(テオドル・リップス)。茲に横たわるのは有機体と無機....
哲学入門」より 著者:三木清
らである。環境においてあるものが表現的であるということは、我々が主観的に、例えば感情移入の作用によって、その中へ意味を投入したというが如きことではない。表現的な....
学生と教養」より 著者:倉田百三
のである。むしろここから反転して利他主義に飛躍するのが道筋ともいえる。リップスの感情移入の説はそのよき弾機であろう。他人の顔にある表情があらわれるのを見ると、同....
レンズとフィルム」より 著者:中井正一
的集団的性格は、社会的集団的性格に向かって、逆に喚びかけつつある。 リップスの感情移入はコーヘンが指摘するごとく、ロマンティクの同一哲学の系統を明らかに引いて....
現代美学の危機と映画理論」より 著者:中井正一
人の人が制作するものであり、天才がその個性を駆馳し発揮するものである。そこでのみ感情移入、物我合一というような過程で芸術が出来あがるのである。 しかるに、最初....
芸術の人間学的考察」より 著者:中井正一
《うつ》されている。あるいは実存在が事物存在に移《うつ》されてもいる。リップスの感情移入はかかる考えかたの中に解析される可能をもつ。いわば事物存在もが、ここでは....
「見ること」の意味」より 著者:中井正一
たわっているのである。ギリシャで芸術が模倣ミメジスであったのに、近代のリップスの感情移入説《アインフュールング》では、前者が単なる射影的静力学的であるのに、後者....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
術が人の精神を高め心を浄化する力を持つことは、無視さるべきでない。たといこの美的感情移入が、享受者の実生活ではなくて、ただ空想の世界の出来事に過ぎぬとしても、そ....