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感興
「感興〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
感興の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ぐさば》の焼けるのを望見する件《くだり》である。彼はその戯曲的な場景に、いつもの
感興を催すことが出来た。が、それがあるところまで続くとかえって妙に不安になった。....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
× ×
編輯者 それは蛇足《だそく》です。折角の読者の
感興をぶち壊すようなものじゃありませんか? この小品が雑誌に載るのだったら、是非....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
野路を飽かずにあるいた。なんのかわったところもないこの原のながめが、どうして私の
感興を引いたかはしらないが、私にはこの高原の、ことに薄曇りのした静寂がなんとなく....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ためじの刺身《さしみ》を見守っていた。すると微醺《びくん》を帯びた父は彼の芸術的
感興をも物質的欲望と解釈したのであろう。象牙《ぞうげ》の箸《はし》をとり上げたと....
「或る女」より 著者:有島武郎
もせずに、邪魔になる所に突っ立ったままさしずがましい事をいったり、葉子には何らの
感興も起こさせない長詩を例の御自慢の美しい声で朗々と吟じたりした。葉子はそんな目....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
、周囲とどんな間隔があろうと、いっこうそれを気にしない。そうして自己独得の芸術的
感興を表現することに全精力を傾倒するところの人だ。もし、現在の作家の中に、例を引....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
的な方式で規約されていた。伝統的な習俗を頑固に保守するローマ人には、芸術や科学は
感興を刺激することが少なかった。まして自然そのものの本質に深く立入るようなことは....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
着くのは幼少な猫程早く稍や老いたるは甚だ遅かった、又或猫は赤にも白にも青にも何の
感興を起さなかったように見えたから、凡ての猫は必ず赤色を愛するものであるとは言え....
「河口湖」より 著者:伊藤左千夫
にキィーキィーをやっとる。予もただ舟足の尾をかえりみ、水の色を注意して、頭を空に
感興にふけっている。老爺は突然先生とよんだ。かれはいかに予を観察して先生というの....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
盛んになればなるほど文人の頭脳も亦定時的に働き出さねばならなくなる。文人の本来は
感興を重んじて機械的に頭脳を働かすべき筈で無いが、幸いに印刷術の進歩が文人の頭脳....
「活動写真」より 著者:淡島寒月
あると信じている。もっとも私は同嬢の技芸以外この「空蝉」全篇のプロットにも非常に
感興を持って見たし、共鳴もしたのであった。そもそもこの「空蝉」というのは、原名を....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
解し得ない彼らにむしろ同情を禁じ得ない。 我々の感じる美、我々を刺戟する芸術的
感興は、常にあるがままなる民族の生活、その風俗習慣の中にこそあるのである。 他....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
ていると、実に無軌道な約束を破った将棋なのであるが、彼らには、その将棋に泉の如き
感興があとからあとからと湧くのを覚えるらしい。朝から晩――いや、そのあくる日もま....
「虹と感興」より 著者:上村松園
虹を背景にして、人物を組立てることに、ほぼ案が立ったわけです。 こういう不意の
感興に打たれますと、案外早く図組なども心に浮かんでくるものでして、私はその時に、....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
ためかして、読んだ時は面白さに浮れて夢中となったが、その面白味は手品を見るような
感興で胸に響くものはなかった。が、『風流仏』を読んだ時は読終って暫らくは恍然とし....