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態々
「態々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
態々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
遥に多い。巴※※自身の目撃した悪魔の記事が、あの辛辣《しんらつ》な弁難攻撃の間に
態々《わざわざ》引証されてあるからである。この記事が流布本に載せられていない理由....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
った。訪問客の一団は丁度ロンドンで開かれたインドに就いての円卓会議の出席者として
態々渡英して来たインド各聯邦の代表者達の秘書の妻君や娘達であることを先刻の肥った....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
女に云った。 「おいおい、この間|巴里から帰って来た社(逸作の勤め先)の島村君が
態々僕に云いに来たんだ。一郎君によく巴里で逢いました。実にしっかりやっておいでで....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
」 「そうか。それは好都合だ。」と、父は満足の笑を洩らした。 「ですが、私の為に
態々帰郷させるのも気の毒ですから、此方は別に急ぐ訳でもないから、冬季休業まで延期....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
来た。 「いいかね法水君、これが発見当時その儘の状況なんだぜ。それが判ると、僕が
態々君をお招きした理由に合点が往くだろう」 法水は努めて冷静を装ってはいたが、....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
「馬鹿な事をいうな。虫のいい事をいうにしても大概にしておくがいい。僕がここまで
態々死を決して来たのは何のためだ。ただ篠山博士の在処を捜らんがためだ。それほどに....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
順でいうと田原屋の方が四、五年先輩で料理がうまいというのが評判だ。下町あたりから
態々食事に来るものも多いそうだ。いつも食べるよりも飲む方が専門の私には、料理のこ....
「天馬」より 著者:金史良
アン、ボウギャルソン、ススワルとか知っているだけのフランス語を全部叫んだ。そして
態々《わざわざ》古本屋へ引張ってはいり、自分のプロフイルの出ている三流雑誌を捜し....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
翌日諏訪へ着いたが既に飛脚はやってある。使者の行くことはわかっている、諏訪家では
態々人を出し、国境まで迎えさせたが、まず休息というところから城内新築の別館へ丁寧....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
て取り、女ほど深く不興を感ずる者はない、秀子は忽ち余の心変りを見て取った、勿論|
態々《わざわざ》余の昨日からの不実らしい所業を許して呉れようとて、余に許しの言葉....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
待して下さいました。盆踊が見たいと話しますと、季節よりも少し早かったのでしたが、
態々何百人と云う人を集めて踊りを始めて下さいました。その人々も皆大満足で盆踊をし....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
「大体決定しています。然し、相当知名の方ですから、念を入れなくてはね。それで、
態々来て貰ったのですが、御足労|序に一度現場へ来て呉れませんか。現場についてお訊....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
落ちて死んだちゅう事だけで、委しい事は一向分りまへなンだ。 で、つまる所、私が
態々乗鞍岳へ登って、得て来たちゅうものは、この一つだけだすが、之が、可成大きな発....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
母は嵐に香の迸る梅 山家の御馳走は何処も豆腐|湯波干鮭計りなるが今宵はあなたが
態々茶の間に御出掛にて開化の若い方には珍らしく此兀爺の話を冒頭から潰さずに御聞な....
「恐ろしき贈物」より 著者:小酒井不木
るのですか」 「何にもないです。ヘララという人を見たこともありません」 「けれど
態々あの人の家を選んだのはどういう訳ですか」 「ただ試して見たのです。どこでもよ....