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慣
「慣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
六
うちへ帰ってみると、うす暗い玄関の沓脱《くつぬ》ぎの上に、見
慣れたばら緒の雪駄《せった》が一足のっている。馬琴はそれを見ると、すぐにその客の....
「影」より 著者:芥川竜之介
の壁へ手をのばすと、咄嗟《とっさ》に電燈のスウィッチを捻《ひね》った。と同時に見
慣れた寝室は、月明りに交《まじ》った薄暗がりを払って、頼もしい現実へ飛び移った。....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
るのを発見した。
人影は見る間《ま》に鮮《あざや》かになった。それはいずれも見
慣れない、素朴《そぼく》な男女の一群《ひとむれ》だった。彼等は皆|頸《くび》のま....
「河童」より 著者:芥川竜之介
です。ただ僕におかしかったのは腰のまわりさえおおわないことです。僕はある時この習
慣をなぜかとバッグに尋ねてみました。するとバッグはのけぞったまま、いつまでもげら....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《ゆるし》を得て、江越喜三郎《えごしきさぶろう》と云う若党と共に、当時の武士の習
慣通り、敵打《かたきうち》の旅に上《のぼ》る事になった。甚太夫は平太郎の死に責任....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
は算木《さんぎ》を染め出す代りに、赤い穴銭《あなせん》の形を描《か》いた、余り見
慣れない代物《しろもの》だった。が、お蓮はそこを通りかかると、急にこの玄象道人に....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
江を遡《さかのぼ》って来た僕には決して珍しい見ものではなかった。けれども亦格別見
慣れたことを長江に感謝したい見ものでもなかった。
僕はだんだん苛立《いらだ》た....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
たぐりのぼり始めました。元より大泥坊の事でございますから、こう云う事には昔から、
慣れ切っているのでございます。
しかし地獄と極楽との間は、何万里となくございま....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
る。と同時に悪魔もまた宗徒の精進《しょうじん》を妨《さまた》げるため、あるいは見
慣れぬ黒人《こくじん》となり、あるいは舶来《はくらい》の草花《くさばな》となり、....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
が一人、何か云いたげに佇《たたず》んでいる。南蛮寺《なんばんじ》の堂内へはただ見
慣れぬ磔仏《はりきぼとけ》を見物に来るものも稀《まれ》ではない。しかしこの女のこ....
「墓」より 著者:秋田滋
く、無念無想、もはや何事も考えてさえいないように見えた。 裁判長はやがて法廷の
慣用語をつかって、陪審員が被告に無罪の判決を下したことを、彼に云い渡した。 し....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
匂い(家というものには必ずその家独特の匂いがあるものだ)そうしたことが、毎晩、習
慣というものに対して嘔吐を催させると同時に、こうして生きてゆくことに対して劇しい....
「初雪」より 著者:秋田滋
相かわらず笑いながら、答えて云った。 「馬鹿なことを云っちゃアいけないよ。じきに
慣れるよ。それに、このほうが体のためにゃずッと好いんだからね。お前だって、もっと....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
から、リボーの店で製本の徒弟になった。徒弟になるには、いくらかの謝礼を出すのが習
慣になっていた。が、今まで忠実に働いたからというので、これは免除してもらった。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、あちらこちらにあるオランダ人の住む辺鄙な渓谷のなかにあり、ここでは人口も風俗習
慣もかわらないのだ。休むことを知らないアメリカのほかのところでは、移住民や種々な....