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慨嘆
「慨嘆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慨嘆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
れを許さないと、学校の人気がわるくなるので止むを得ません。実に国家の青年の風紀上
慨嘆に堪えぬ次第であります」 これに対し学生の方はこう云う。 「制服制帽は官僚....
「家霊」より 著者:岡本かの子
ん》として熱を帯びて来る。 作者はこの老人が此夜《このよ》に限らず時々得意とも
慨嘆ともつかない気分の表象としてする仕方話のポーズを茲《ここ》に紹介する。 「わ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と云ったね?」検事が聴き咎めて、自分の耳を疑うような面持で訊ねたが、それに法水は
慨嘆するような態度で、彼特有の心理分析を述べた。
「ああ、支倉君、君はこの事件の....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
は維新以来江戸に居留せし人々に係る、地方土着の士人に至りてはなお脾肉の疲せたるを
慨嘆し、父祖伝来の戎器を貯蔵して時機を俟ちたる、これ当時一般の状態にあらずや。試....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
た。私はその恰好にびっくりしてしまった。 「アリーちゃん、かわったねえ」 私は
慨嘆した。アリーは意味ある含み笑いをして、私の知らないことを細々教えてくれた。私....
「風博士」より 著者:坂口安吾
る。見給え諸君、ここに至って彼は果然四十八年以前より禿げていたのである。於戯実に
慨嘆の至に堪えんではない乎! 高尚なること※の木の如き諸君よ、諸君は何故彼如き陋....
「男女の交際について」より 著者:坂口安吾
近ごろの世道人心が堕落タイハイしているとか道義が地におちたとか
慨嘆するのは当らない。 昔の平和の時代に比較して人の心だけを言うのが間違いで、....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
れに這ひ廻るにしても、人間が国持大名を望む夢を失ふといふことはない」 と倉田が
慨嘆してみても、彼はアクビひとつせず、俺は貧乏な大学生が下宿の娘とうまくやるのが....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、道義タイハイせり、などとパンパン、男娼、アロハアンチャン不良少年の類いをさして
慨嘆される向きは、世間知らずの寝言にすぎないということを強調しておきたい。いつの....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
われてしまう。せっかく確立した商道を紊だすことは、日本の商人道の破壊である。実に
慨嘆に堪えない次第である。 今までは一流百貨店では、特価品なるものはあまり取扱....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
しかるに最近事件が起こった。近習山村彦太郎が、三河風土記を講読した。すると家治は
慨嘆した。「俺は今までこんないい本が、世間にあろうとは思わなかった。もっと彦太郎....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
てその権威を失いました。また少なくとも失わんとしています。伝統主義者はこれをみて
慨嘆しています。けれども私はかくしてこそ、わが国がいきいきと伸びてゆくのだ、これ....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
のない、微々たるあげ脚とりに過ぎなかったことを思うと、義理にも、批評のない歌壇を
慨嘆する様な顔も出来る所ではないのだったが。 文芸の批評は単に作家の為に方角を示....
「迷信解」より 著者:井上円了
と説いてあるが、これ維新前のことなれども、明治の今日なおこの弊風を存するは、一層
慨嘆すべきことと思う。 およそ神仏は道徳の本源、正理の本体なれば、平素、心に誠....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
(南半球五万|哩余の行程、雨で髪を洗い、風にくしけづり、たったひとりで旅するを
慨嘆する。わが家に帰えればなじみのものがあり、窓より見る梅に月は寒さの深まりを照....