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「慫慂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

慫慂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
な(シナリオによって判断する)まわりくどい表現は不必要だし、またもし癩者の入園を慫慂するためならば、先決問題たる現在の癩院の収容力不足(それは全国の推定患者数の....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、二葉亭の不平を融和する旁ら、機会あるごとに力を文学方面に伸ばさしめようと婉曲に慫慂した。二葉亭は厚誼には感謝したが、同時に頗る慊らなく思っていた。 が、三山....
富士」より 著者:岡本かの子
た方なのだから」と。 祖父の偉れた点を語ることは、また、その孫娘に偉れることを慫慂《しょうよう》することでもあった。 ふた親は、自分たちのことに就ては「わた....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
皇妹をめとり損なったと見るや、ナポレオンに、墺国の皇女マリア・ルイゼをめとるよう慫慂し、墺国皇帝に対しても、政策上、ルイゼ姫をナポレオンへ人身御供とすべきよう進....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ちにも死ぬかもしれぬ。そこでお前に頼みがある。いいや頼みというよりもむしろお前に慫慂るのだ。そうだ慫慂るのだ」 こう云って老人は懐中から小さな手箱を取り出した....
五重塔」より 著者:幸田露伴
馳せ感応寺建立に寄附を勧めて行くもあり、働き顔に上人の高徳を演べ説き聞かし富豪を慫慂めて喜捨せしむる信徒もあり、さなきだに平素より随喜|渇仰の思いを運べるもの雲....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
うだ。イスとテーブルも兵舎的実用品で、席へつけば一同が実用的な心構えになることを慫慂されているようである。警官の臨観席の坐り心持であった。イスとテーブルが、私の....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
級の娯楽品として、多くの頭脳優秀な人たちが、謎ときゲームのたのしさを愛されるよう慫慂してやまないものである。 諸氏にして謎ときゲームのおもしろさを覚えられたな....
春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
べき何もない心底であった。ところが図らずもこのたびある人から、報知新聞社長就任の慫慂を受けたのである。つらつら報知新聞の現在の社業をみると、全く昔日の俤がない。....
友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
に著述する場合の覚悟の比ではないだろう。と同時に学位を授与する側を見ても、個人的慫慂や一定の積極方針の強調や、又時には大盤振舞のような太っ肘や、学術政策的な決意....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
に述べた。この条項を承諾し、より良い平和を愛好する新日本建設を開始するよう我等は慫慂するものである。諸君は直ちに武力抵抗を中止すべく措置を講ぜねばならぬ。 然....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
治中の消閑《しょうかん》に、手細工を試みたものでしょう。それを北原に取らせようと慫慂《しょうよう》するのを、北原は首を左右に振って、 「いけません、物笑いですか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
暫く鳴りをしずめて、かの童子の出鱈目《でたらめ》に制限を加えないように心づかいを慫慂《しょうよう》していると、 玉だすき うねびの山の かしはらの ひじりの御....
明暗」より 著者:夏目漱石
も不意に座を立った姉の挙動が、もうすでにその状態を崩《くず》していたので、お延の慫慂《しょうよう》は何の効目《ききめ》もなかった。母はとうとうすべてに対する責任....
石狩川」より 著者:本庄陸男
れない。――云うまでもなかった。憐愍《れんびん》をあたえるような態度で土地選定を慫慂《しょうよう》した馬上の男は、ともに天をいただかずとした薩派《さっぱ》系の人....