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慮る
「慮る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慮るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
し、奥さまのお妨げになってもいけないと思ったので、申上げずにいましたが、頻りに焦
慮る様子を見ると、どうも覚束ない様子でございますねえ」 式部「わたしも、薄々は気....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
ますから、白痴だと有仰るのでしょう。』 『そうじゃ無いです。貴方もいよいよ深く考
慮るように成ったならば、我々の心を動す所の、総ての身外の些細なることは苦にもなら....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ら大義名分位も心得ているのであるが、藩主始め家老その他の重役が、藩の立場の危難を
慮るがために長州へ内使を立てるということになったので、それにも反対をしかね、その....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
気に心を取り直そうとしたが、遅かった。踏み答えて見ようと百方に焦慮《あせ》れば焦
慮るほど厭になる。揚句《あげく》の果《はて》は踏張《ふんばり》の栓《せん》が一度....
「明暗」より 著者:夏目漱石
部に対して全く平生の命令権を失ってしまう。止《や》めさせようと焦慮《あせ》れば焦
慮るほど、筋肉の方でなお云う事を聞かなくなる。――これが過程であった。
津田は....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
ろこ》ばん。貧人が富人を嫉《ねた》むは、多くかかることより出づるなり。危険思想を
慮る政府が、かかる不公平を奨励すべきにあらず。 また佐々木忠次郎博士は昨年十月....
「三国志」より 著者:吉川英治
まず、兵を退いて、白帝城にいたり、荊州の守備を強固となし、心しずかに、次の段階を
慮ることこれです。……が、これは下策に過ぎません」 「……下策はとりたくない。ま....
「腐った蜉蝣」より 著者:蘭郁二郎
を棄て、まだ春も浅い、さびれた海岸町に来たのだ。 だが、忘れようと、焦慮れば焦
慮るほど、私はあのネネの、真綿で造られた人形のような、柔かい曲線に包まれた肉体を....