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慰
「慰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
悩ませたものは必しも肉体的苦痛ばかりではなかった。彼はお芳の泊っている間は多少の
慰めを受けた代りにお鳥の嫉妬《しっと》や子供たちの喧嘩《けんか》にしっきりない苦....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
は云わぬものじゃ。やがてはその譜も手にはいる時節があるであろう。」と、やさしく御
慰めになったそうでございます。ところがそれから半月とたたないある日の事、中御門の....
「影」より 著者:芥川竜之介
居るじゃございませんか。」
老女は紅茶の盆《ぼん》を擡《もた》げながら、子供を
慰めるようにこう云った。それを聞くと房子の頬《ほお》には、始めて微笑らしい影がさ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
想を粉砕した。が、それと同時にまた、僕の責任が急に軽くなったような、悲しむべき安
慰《あんい》の感情を味った事もまた事実だった。』三浦がこう語り終った時、丁度向う....
「河童」より 著者:芥川竜之介
出したのももちろんです。僕はラップの肩をたたき、一生懸命《いっしょうけんめい》に
慰めました。
「そんなことはどこでもありがちだよ。まあ勇気を出したまえ。」
「し....
「彼」より 著者:芥川竜之介
ニインなどは写真で見ても、逞《たくま》しい体をしているからなあ。」
しかし彼を
慰めるものはまだ全然ない訣《わけ》ではなかった。それは叔父さんの娘に対する、極め....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
をかけてくれる。が、一度自分の醜さを知った女の心が、どうしてそんな語《ことば》に
慰められよう。私はただ、口惜《くや》しかった。恐しかった。悲しかった。子供の時に....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
おれは役人をやめてしまうんだから、――」
お蓮はほとんどその晩中、いくら牧野が
慰めても、浮かない顔色《かおいろ》を改めなかった。……
「御新造《ごしんぞ》の事....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
さはやはり自分と変らないのであろう。もし彼等が幻でなかったなら、自分は彼等と互に
慰め合って、せめて一時《いっとき》でもこの寂しさを忘れたい。しかしそれはもう、今....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
はない。のみならず尊い天使や聖徒は、夢ともうつつともつかない中に、しばしば彼等を
慰めに来た。殊にそういう幸福は、一番おぎんに恵まれたらしい。おぎんはさん・じょあ....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
だ、自分は、昔からあの水を見るごとに、なんとなく、涙を落したいような、言いがたい
慰安と寂寥《せきりょう》とを感じた。まったく、自分の住んでいる世界から遠ざかって....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
か我我の心の底へ滲《し》み渡る寂しさを蓄えている。夢は既に地上から去った。我我も
慰めを求める為には何万億|哩《マイル》の天上へ、――宇宙の夜に懸った第二の地球へ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
者にならなくとも、一流の詩人になったであろう」と。旅行中に詩も作ったし、「旅中の
慰め」という散文もある。 ―――――――――――― 、一八....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
れないために、ときどき、戦争によって、一民族が他の民族を殺す戦争によって、自らを
慰めるのだ。ところで、戦争というものは、血の濫費にほかならぬ。この濫費のために軍....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
たと思い続けているのみである。 ここに十巻の全集が世に贈られることは癒されざる
慰めの纔かな
慰めである。....