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慰み半分
「慰み半分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慰み半分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
物で、わざと自分を包囲して、のっぴきさせず二階の大広間へ押し上げた上、あとから、
慰み半分に手を拍《う》って笑う策略《さくりゃく》のように思われた。後ろを振り向く....
「新生」より 著者:島崎藤村
めることが多い。新しい家に移ってからは、空地に好める樹木を栽《う》えたり、ほんの
慰み半分に畑をいじったりするぐらいの仕事しかしないのである。そして僅《わず》かに....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ていたのです。 こうなると、自分の屋敷内で遠慮勝に語ったり、友だちの家へ行って
慰み半分に語ったりしているだけでは済まなくなりました。当人はどこまでも真剣です。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、汽車のひびきに馴れている鶏が平気で垣をくぐって出たりはいったりしている。駅員が
慰み半分に作っているらしい小さい菜畑なども見える。 夏から秋にかけては、こうい....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
に引裂いた文は、何事が書いてあったか、事に取紛れて碌々読まなかったが、と取出して
慰み半分に繰披き、なに/\「予て申合せ候一儀大半成就致し候え共、絹と木綿の綾は取....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ばお役向も面《かお》が立つめえ。こっちにしてみると、行きがけの出来心で、ほんの手
慰み半分にやった仕事のしくじりで、奥州外ヶ浜へ来て年貢を納めるなあ、ちっと残念だ....
「枯菊の影」より 著者:寺田寅彦
くなる。何でもいいが、外にも少し立派に衣食の得らるるような事を修めて、傍ら自分の
慰み半分絵をかく事にしたらどうか。衣食足った人の道楽に画いたものは下手でも自然の....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
義者であり、また自由思想家で無神論者たる彼は、退屈しのぎのためか、それとも気軽な
慰み半分にか、とにかくこの事件に非常に力を入れた。彼は急に、修道院や『聖者』が見....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
ども、互の心は両方から歩み寄っていた。彼女は四年級の時から卒業まで引続いて、然し
慰み半分に、旧派とも新派ともつかぬ和歌を学んでいた。時々私へ自作の添削を頼んでき....
「教育映画について」より 著者:寺田寅彦
のつながりのようなものとしか思われないように出来ていた。勿論これらはほんの素人の
慰み半分の小型映画作品であったのでこういう厳重な批評をするのは無理であろうが、こ....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
かく、十日二十日後れるに至っては、殆んど公らが気に向いた時は発行しいやな時はよす
慰み半分の雑誌としか受取れぬ次第に候。もっともこれには色々な事情も可有之、また御....
「鬼無菊」より 著者:北村四海
地に逗留していた事があった。 或日の事、自分は昼飯を喫べて後、あまりの徒然に、
慰み半分、今も盛りと庭に咲乱れている赤い夏菊を二三|枝手折って来て、床の間の花瓶....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
、汽車のひびきに馴れている鶏が平気で垣をくぐって出たり這入ったりしている。駅員が
慰み半分に作っているらしい小さい菜畑なども見える。 夏から秋にかけては、こうい....
「雪の十勝」より 著者:中谷宇吉郎
初めは
慰み半分に手をつけて見た雪の研究も、段々と深入りして、算《かぞ》えて見ればもう十....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
であろう。この(クワルテットの中の)問いの明確な意味は、或る批評家たちのために、
慰み半分に、曖昧にされたり弱められたりしたが、あたかもシスティンの一人の予言者〔....