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「慾深〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

慾深の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:海野十三
こうと知ったらお里を四郎から引放さんで置くんじゃったとナ」 「もう後の祭だ。あの慾深親父も、今更どうしようたって仕方がないだろう」 「いや、あの親父も相当なもの....
恐竜島」より 著者:海野十三
ちがいない。船長はこれを守るために、この掟《おきて》をつくったのだろう。しかし、慾深い人は、死を覚悟してこの掟を破ったんだ。この扉を開いた」 ラウダは、足でダ....
月世界探険記」より 著者:海野十三
に進も手をかして扉をこじ明けると、内部を調べてみた。すると果せるかな、その中には慾深い犬吠が、黄金塊を抱いて餓死しているのを発見した。 ところで喜んだのは一行....
心霊の抱く金塊」より 著者:大倉燁子
発見者は全部貰えるのですか、それとも何割という規定でもあるのでしょうか」などと、慾深い連中からの質問が続出する。 雨が降り出した、大つぶの雨が軒をうつ。博士は....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ゃ。そこで私は考えた。富貴に向かおうか王侯に成ろうかとな、私は両方を征服しよう!慾深くこのように考えた。それから私は努力めたものだ。二十年三十年四十年、馬車馬の....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
「これは面白い、あててみろ」 「あてたら何をおくんなさる」 「こいつがこいつが、慾深爺が! 何んでもくれる。望みのものをな」 「それはそれは有難いことで」 「が....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
した」 「なにを、なさったの」 「明日、お歴々、あそこを掘ると、アッと驚きます。慾深い人が穴を掘って、よかったタメシはありません。どうしても、私のところへ、智恵....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
まえ悪口《あっこう》を云う、これが大間違いになります初めでございます。 十二慾深き人の心と降る雪は積るにつけて道を遺《わす》るゝと云う、慾の世の中、慾の為に....
浮浪漫語」より 著者:辻潤
は満足することは出来ない。考えると自分という人間は自分の身分不相応な、なんという慾深い人間なのだろう――つまり、この地上では永久に出来そうもない、不可能な要求を....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に畑を見舞われ、失望し切って蒲団をかぶって寝てしもうた。ゾラの小説「土」に、ある慾深の若い百姓が雹に降られて天に向って拳をふり上げ、「何ちゅう事をしくさるか」と....
マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
つある人間は、そういう善玉・悪玉のどれにもあてはまらない。例えば書物はよく悪漢、慾深、卑劣漢などが出現するのであるが、本に出て来る悪漢その他は、いかに惨忍である....
遠野物語」より 著者:柳田国男
入れて回せば下より黄金|出づ。この宝物の力にてその家やや富有になりしに、妻なる者慾深くして、一度にたくさんの米をつかみ入れしかば、石臼はしきりに自ら回りて、つい....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
かぎらぬことだが、昔話には舌切雀のおもい葛籠の婆のように、または花咲爺のとなりの慾深爺のように、善人がしあわせをしたという話には、かならず悪い人が悪い報いを受け....
旅愁」より 著者:横光利一
はあのときで良いと思うのだった。まだこれ以上の面白さを二人でつづけようなどという慾深さは、ただ贅沢なことかもしれぬと思うあきらめに変りはなかった。 「あたしこん....