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憂患
「憂患〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憂患の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
界は安きことなし、猶火宅の如し 衆苦充満して、甚だ畏怖べし つねに生、老、病死の
憂患あり 是の如き業の火、熾然として息まず 私どもの住むこの世界は、あたかもさ....
「瓶詰地獄」より 著者:夢野久作
この小さな、緑色に繁茂り栄えた島の中には、稀に居る大きな蟻のほかに、私たちを
憂患す禽、獣、昆虫は一匹も居ませんでした。そうして、その時、十一歳であった私と、....
「ヤトラカン・サミ博士の椅子」より 著者:牧逸馬
悠々《ゆうゆう》と満ち広がった。そうして、この、物理の懊悩《おうのう》と、天体の
憂患と、犬猫《いぬねこ》の狼狽《ろうばい》と、人知の粉砕のすぐあとに来たものは、....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
《わざわい》にして、今の事態の本位よりも一層の幸福を減ずるものなり。けだし人事の
憂患《ゆうかん》、消極の域内に在るの間は、未《いま》だその積極を謀《はか》るに遑....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
骨を抱いてかえる胸中を思うと、私の胸も切なくなった。しかし素朴な彼等は素朴にその
憂患に堪えてゆくだろう。そう思わずにはいられなかった。彼等は息子の遺骨を埋めるこ....
「三国志」より 著者:吉川英治
したら、軍旅の労をねぎらわんと、酒宴を設けてその場で刺し殺してしまおう。――蜀の
憂患を除くためだ。抜かり給うな」 と、ここでは二人が手に唾して夜の明けるのを待....