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憑く
「憑く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憑くの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「迷信解」より 著者:井上円了
のことを説く前に、死霊、生霊のことを述べなければならぬ。俗間にて死霊、生霊が人に
憑くということを申しておるが、これは狐狸や天狗が人に
憑くというに同じく、精神病の....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
いう不思議な人間は欧羅巴にもあります。それは日本の狐つきと同じように、狼が人間に
憑くのだと云い伝えられて居りますが、所詮は悪魔が人間に乗り移って、さまざまの禍を....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
なことを話した。 「世にいう狐|憑きのたぐいは、みな一種の乱心者である。狐は人に
憑くものだとふだんから信じているから、乱心した場合に自分には狐が憑いているなどと....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
という。 由来狐憑・狸憑・犬神憑等、憑き物に関する迷信は広く各地に存して、その
憑くものの種類は種々に違っていても、とにかく或る人間に使役せられた或る霊物が、他....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
ゆ さて,前に述べたように,パウチは群をなして踊って歩くものだが,それが個人に
憑くこともある.すると今までつつましやかであった者が,急に狂ったように人が変って....
「回想録」より 著者:高村光太郎
、私は寝ていてよく笑うので、気味悪がられた。隣りに寝ている祖父が揺起して、ものが
憑くのだからと言って九字を切ったりしたことがある。子供から段々青年になる前の身体....
「狐の手帳」より 著者:田中貢太郎
ょと四方を見廻した後に小声になって云った。 「狐か狸か、そんな物が来てお媽さんに
憑くのじゃないかと思いますがね、どうしても人間じゃないのですよ」 「そうかなあ、....
「村の怪談」より 著者:田中貢太郎
祭った。 狸は人をたぶらかすばかりでなく、また人に憑いて禍をした。私の村で人に
憑くものでは、狸のほかに犬神と云うものがあった。犬神は関東のおさき狐と同じような....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
も千年も後世に生まれた同情者が、当人に代わって、あるいは当人に取り憑かれるか取り
憑くかして、歌い悲しみ、また歌い喜ぶのである。たとえば、われわれは自分の失恋を詩....
「憑きもの」より 著者:豊島与志雄
い。それがつまり実験談の語るところであった。然しその不可思議さにも限界があって、
憑く方のもの、崇る方のものは、実際には存在せず、憑かれる方のもの、崇られる方のも....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
うど麻剥きの作業期に入って、夜分睡たくなって困るのを、何かネブタというものがいて
憑くように思っていたので、それを流すためにこの行事があった。今はただ簡単に酒食を....
「山の人生」より 著者:柳田国男
常陸坊は高館落城の当時から、行方不明と伝えられていた故に、後日|生霊となって人に
憑くにさしつかえはなく、また比較的重要でない法師であって、観ていた様子を語るには....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
実の意識と重なり合って活躍する……それが夢中遊行以後の呉一郎の存在であった。『取
憑く』とか『乗移る』とかいう精神病理的な事実を、科学的に説明し得る状態はこの以外....
「魚紋」より 著者:吉川英治
ねえ。お可久、おれが川から金を揚げてくる間、何とか一言云ってやんねえ、生霊が取ッ
憑くといけねえや』 『いやだよ。私は……』 『罪ほろぼしと思ってよ』 薊は、春....