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「憑物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憑物の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
歌行灯」より 著者:泉鏡花
の桑名へ、住替えとやらしたのかの。」 「狐狸や、いや、あの、吠えて飛ぶ処は、梟の憑物がしよった、と皆|気違にしなさいます。姉さんも、手放すのは可哀相や言って下さ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ざりますよ。」 媼は、罪と報を、且つ悟り且つあきらめたようなものいい。 「何か憑物でもしたというのか、暮し向きの屈託とでもいう事か。」 と言い懸けて、渋茶に....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
せんか、この節あ毎晩だ、五智で海豚が鳴いたって、あんな不景気な声は出しますまい。憑物のある病人に百万遍の景物じゃ、いやもう泣きたくなりまする。はははは、泣くより....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
いが出る。土地の者もいろいろのことを言いふらすようになる。由井の家の娘には何かの憑物がしているか、さもなければ由井の家に何か祟っているのであろうという噂が、それ....
放し鰻」より 著者:岡本綺堂
れでいいだろうね。」 「へえ、よろしゅうございます。」 重荷をおろしたような、憑物に離れたような心持で、平吉は自分の家へ帰った。しかもかれはまだ落ちついてはい....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
には峰延上人を鑑真だと云っているが、古くその説はない。) 本号所載宮武省三君の憑物雑話の中に、南洋にも全くこれと同じ様な行事のあることが見えているが、かくの如....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
婆塞に魅せられていたのだ。露骨に云えば誑かされていたのだ。だが今は正気となった。憑物は離れてしまった。ああそれにしても纐纈布は、なんと俺には宿命であったろう」 ....
雪の宿り」より 著者:神西清
おりますと、松王様は尚もつづけて、お口疾にあとからあとから溢れるように、さながら憑物のついた人のようにお話しかけになります。それが後では、もうわたくしなどのいる....
狐の手帳」より 著者:田中貢太郎
処には、変ったことはなかったのですか」 「ああなかったのだよ」 「じゃ、やっぱり憑物が離れたのですね、これで二三日すりゃ好いのですよ」 「では、彼奴、死んじゃっ....
見落されている急所」より 著者:宮本百合子
くないものであろうか。 「白道」の作者は、抽象化された書かなければならないという憑物に目かくしをされて、自身既に自活しなければならない女としての二つの足で踏み入....