» 憔悴

「憔悴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憔悴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
》が何本も浮かんだ水には火《ほ》かげもちらちら映っている。そこへまた映って来る、憔悴《しょうすい》し切った少年の顔。 72 大きい石燈....
伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
人とも思われなかった。第二にその後ろ姿は伝吉の心に描《えが》いていたよりもずっと憔悴《しょうすい》を極めていた。伝吉はほとんど一瞬間人違いではないかと云う疑いさ....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
のあった十月、いよいよ私はN家の本邸で結婚式を挙げる事になりました。連日の心労に憔悴《しょうすい》し切った私が、花婿《はなむこ》らしい紋服を着用して、いかめしく....
金将軍」より 著者:芥川竜之介
らである。 金応瑞は義州《ぎしゅう》の統軍亭《とうぐんてい》へ駈《か》けつけ、憔悴《しょうすい》した宣祖王《せんそおう》の竜顔《りゅうがん》を拝した。 「わた....
水の三日」より 著者:芥川竜之介
に囲まれた、伽藍《がらん》のような講堂には、何百人かの罹災民諸君が、雑然として、憔悴《しょうすい》した顔を並べていた。垢《あか》じみた浴衣で、肌《はだ》っこに白....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
の夕べの乱れたる髪は活溌溌《かつはつはつ》の鉄拐《てっか》を表わせしに、今はその憔悴《しょうすい》を増すのみなりけり。 渠は想えり。濶達豪放の女丈夫! 渠は垂....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
、頬はゲッソリとこけ、喘息患者のようにヒイヒイと喘いでいた。過去において、かくも憔悴しきった二人の戦隊長を見たことがなかったので、さすがの女大臣もギクリとした。....
白蛇の死」より 著者:海野十三
其の翌日の夕方、山名国太郎は今市から護送されて来た。青年は数日の懊悩にめっきり憔悴して、極度の神経衰弱症に陥っているらしく、簡単な訊問に対してもその答弁は案外....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
守られて立っていた。 それは捜査課長に馴染の深い探偵小説家を名乗る戸浪三四郎の憔悴した姿だった。 「帆村さん。お駄賃にちょっと返事をして下さい」と風間記者は鉛....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
、帆村は大阪の天王寺のガード下に、彼らしい姿を発見したという。しかし顔色はいたく憔悴し、声をかけても暫くは判らなかったという。丘田医師は、今もさる病院の一室で、....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
寸々に裂けたる鼠の法衣を結び合せ、繋ぎ懸けて、辛うじてこれを絡えり。 容貌甚だ憔悴し、全身黒み痩せて、爪長く髯短し、ただこれのみならむには、一般|乞食と変わら....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
差のないものであった。 が、持ぬしは、意気沈んで、髯、髪もぶしょうにのび、面は憔悴はしていたが、素純にして、しかも謹厳なる人物であった。 汽車の進行中に、こ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たない中に、私はせめてもの心遣りなる、あのお墓参りさえもできないまでに、よくよく憔悴けて了いました。一と口に申したらその時分の私は、消えかかった青松葉の火が、プ....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
た。(尤も胃酸過多症の為に一つも食えなかったのは事実である。) 島木さんは大分憔悴していた。従って双目だけ大きい気がした。話題は多分刊行中の長塚節全集のことだ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ま、ただあれあれ、あっと云う間だった、と言うのです。 ――三年|経って、顔色は憔悴し、形容は脱落した、今度はまったくの墨染の聾坊主が、金沢の町人たちに送られな....