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憧
「憧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
死骸を、やさしく海の方へ運んで行った。が、尾生の魂は、寂しい天心の月の光に、思い
憧《こが》れたせいかも知れない。ひそかに死骸を抜け出すと、ほのかに明るんだ空の向....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
は姫君が恋しゅうて、御意《ぎょい》得たいと申すのではない。予の業欲《ごうよく》に
憧るる心は、一度唐土《ひとたびもろこし》にさすらって、紅毛碧眼の胡僧《こそう》の....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の剣の光を見ると、突然|素戔嗚《すさのお》の心の中には、長い間眠っていた、流血に
憧《あこが》れる野性が目ざめた。彼は素早《すばや》く足を縮《ちぢ》めて、相手の武....
「或る女」より 著者:有島武郎
やま》うようにもてなして、やや落ち付いてから隠し立てなく真率に葉子に対する自分の
憧憬《しょうけい》のほどを打ち明けたので、木村は自分のいおうとする告白を、他人の....
「星座」より 著者:有島武郎
詩集を伏せてしまった。この学校に学ぶようになってからも、園には別れがたい文学への
憧憬《どうけい》があった。捨てよう捨てようと思いながら、今までずるずるとそれに引....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
川の異常なる宗教的実験の報告を読んで、その遠神清浄なる心境に対してかぎりなき希求
憧憬《ききゅうどうけい》の情を走らせながらも、またつねに、彼が一個の肺病患者であ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ぬ十年――それは短いものではない。それにもかかわらず、君は性格の中に植え込まれた
憧憬を一刻も捨てなかったのだ。捨てる事ができなかったのだ。 雨のためとか、風の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ンタリストだ。 また或る人は未来に現われるもの、若しくは現わるべきものに対して
憧憬を繋ぐ。既に現われ出たもの、今現われつつあるものは、凡て醜く歪んでいる。やむ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
小部屋の中で、シャツをひっぱりながら、あの橋の向うの彼女を知ることが、最近の彼の
憧憬になっていた。だけど、女が来いと言わないのに、彼がひとりで橋を渡って行くこと....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
とは、また忘れることの出来ない事実である。旧物に対する蔑視と、新らしき物に対する
憧憬とが、前述のように烈しかったその当時は、役者は勿論のこと、三味線を手にしてさ....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
若い時代は江戸趣味どころか、かえって福沢諭吉先生の開明的な思想に鞭撻されて欧化に
憧れ、非常な勢いで西洋を模倣し、家の柱などはドリックに削り、ベッドに寝る、バタを....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
を見ていた。すると、彼の心は、やがてこの領地をうけつぐことになっている乙女に恋い
憧れた。彼の想像はさらにひろがって、こういうものを即座に現金にかえて、その金を広....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
青島 そんなことをいってたようだ。なにしろ堂脇のお嬢さんていうのには、俺は全く
憧憬してしまった。その姿にみとれていたもんで、おやじの言葉なんか、半分がた聞き漏....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
りなしに極めて自然に表白して居るためであろう。彼の随筆には古いもの伝統的なものに
憧れる都会人と機械美を好む尖端人との交錯が窺われる。そうして古いものの完き姿が現....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
独立、研究の自由を目標として創立した自由の学園であるという所に青年的魅惑を感じて
憧れて入学したのである。丁度当時は、第一次欧洲戦争の影響で、デモクラシーの思想が....