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憩
「憩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
を蔽《おお》いたくなる事は一再《いっさい》でない。
それでもなお毛利先生は、休
憩時間の喇叭《らっぱ》が鳴り渡るまで、勇敢に訳読を続けて行った。そうして、ようや....
「路上」より 著者:芥川竜之介
けているらしかった。……
それからピアノの独奏と四部合唱とが終って、三十分の休
憩時間になった時、俊助は大井に頓着《とんちゃく》なく、逞《たくまし》い体を椅子《....
「夢」より 著者:芥川竜之介
しろわたし自身には彼女の威圧を受けている感じの次第に強まるばかりだった。彼女は休
憩《きゅうけい》時間にもシュミイズ一枚着たことはなかった。のみならずわたしの言葉....
「或る女」より 著者:有島武郎
しろ葉子は早く落ち付く所を見つけ出したかった。古藤は停車場の前方の川添いにある休
憩所まで走って行って見たが、帰って来るとぶりぶりして、駅夫あがりらしい茶店の主人....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
にありて転ずるごとく、両々相並びて福岡《ふくおか》というに着けり。ここに馬車の休
憩所ありて、馬に飲《みずか》い、客に茶を売るを例とすれども、今日《きょう》ばかり....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
」 「いや、これは。」主税は狼狽えて、くるりと廻って、そそくさ扉を開いて、隣の休
憩室の唾壺へ突込んで、喫みさしを揉消して、太く恐縮の体で引返すと、そのボオイを手....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
たのを注しましょうで、――やがてお弁当でござりましょう。貴下様組は、この時間御休
憩で?」 「源助、その事だ。」 「はい。」 と獅噛面を後へ引込めて目を据える。....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
町を遥に、開いた丘に、少しのぼせて、羽織を脱いで、蒔絵の重に片袖を掛けて、ほっと
憩らったのを見て、少年は谷に下りた。が、何を秘そう。その人のいま居る背後に、一本....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
締めて、銀杏返に結った婦人。 「何だね、お前さん。」 「はい、鍵屋と申します御休
憩所でございますが、よそと張合っておりますので。 今朝から向にばかりお客がござ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
色の繋がる中へ、蕨のような親仁の手、無骨な指で指して、 「彼処さ、それ、傘の陰に
憩んでござる。はははは、礼を聞かっせえ、待ってるだに。」 横に落した紫の傘には....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
煙草を喫みつつ、……しかし烈しい暑さに弱って、身も疲れた様子で、炎天の並木の下に
憩んでいる学生がある。 まだ二十歳そこらであろう、久留米絣の、紺の濃く綺麗な処....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
|眇として、人少なに、三組の客も、三人のボオイも、正にこれ沙漠の中なる月の樹蔭に
憩える風情。 この間に、愛吉がお夏の来歴を説く一場の物語は、人交もせず進んで、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ものを膝の上。両手を鍔の下へ、重々しゅう、南蛮鉄、五枚|錣の鉢兜を脱いで、陣中に
憩った形でござったが、さてその耳の敏い事。 薄い駒下駄運びは軽し、一面の芝の上....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
立花君が民自党の小西寅松親分の頭をポカポカなぐる騒ぎとなった。このため本会議は休
憩となり、私はしてやったりとほくそ笑んだが、私のアジ演説は共産党員を走らせたのだ....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
ところを歩いているとき、不図綺麗な松落葉の積った箇所を見つけ出して緩々と腰かけて
憩んで居るときなどその騒々しい気分がよく了解されてくる。多くは極めて幽かな山風が....