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憬れる
「憬れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憬れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
入りをしているうち、その家々で二三人の年頃の娘とも知合いになった。都会の空気に憧
憬れる彼女等はスマートな都会青年の代表のように復一に魅着の眼を向けた。それは極め....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
来た。 と、遥かの前方に、甲府の城下の灯火が見えた。 「故郷!」 と城主は憧
憬れるように云った。 「故郷!」 と彼はもう一度云った。 永禄二年春以降、大....
「私の貞操観」より 著者:与謝野晶子
主義を女子と同じく尊重し実践するようになるであろうか。また反対に女子もまた刺激に
憬れる心や食物その他の変革から従来の体質を漸次一変して性交の欲望を自発し、併せて....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、浮名が立って濡衣着た、その明さんが何となく、慕わしく、懐かしく、果は恋しく、憧
憬れる。切ない思い、激しい恋は、今、私の心、また明さんの、毬唄聞こうと狂うばかり....
「小公女」より 著者:菊池寛
」 アアミンガアドは、セエラを見つめるばかりでした。この少女の胸には、セエラを
憬れる気持が湧き始めていました。 ふと、セエラは顔を上げて、妙な微笑を見せなが....
「蝕眠譜」より 著者:蘭郁二郎
代がかった話に、重ねて唖然とせざるを得なかった。 (今の世の中に、夢の中の恋人に
憬れる男があろうか……) 『君、とても信じてはくれないだろうけど、その彼女。ルミ....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
れている。将しく彼女には審美眼がある。だが以前の彼女には、すくなくともマチスに憧
憬れるような、そんな繊細な審美眼は、なかったように思われる。長足の進歩をしたもの....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
で、いつ迄も黙っていた。 「澄江殿はどうして居られるかのう」 こう如何にも憧
憬れるように、陣十郎が云いだしたのは、かなり間を経た後のことであった。 異様な....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
熱情家である上に、年も若く気も若い。その上、母に似て恋の美しい幻影には人一倍|憧
憬れる性質の若者だ。(沈思)それに、若も明晩の音楽の競技には出場すると云うではな....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
く東の空に僥倖しに、行かんと思へど便宜も旅費もなし」との述懐は、当時の都人士の憧
憬れるところを露骨に歌ったものであった。砂金を谷川の砂から探り出すにしても、岩石....