憶う[語句情報] » 憶う

「憶う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憶うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仮装人物」より 著者:徳田秋声
のであった。しかし庸三は、自分の不注意で、一夜のうちに死んでしまった長女のことを憶うと、我慢しなければならなかった。恋愛にも仕事にも、ロオマンチックにも奔放にも....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
人外境」等。 では、何故、当時探偵小説が一般に喜ばれたのであろうか、と云うと、憶うに当時は、尚自由民権の叫ばれた直後であり、仕込み杖の横行した時代であったが故....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
ち幸福な日で、歩くも何か酔心地、また然うあるべき理由があった。ええ、憶えば辛い。憶うまい憶うまい。むかしの幸福。今の苦痛……苦痛は兎角免れ得ぬにしろ、懐旧の念に....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
み死んでも遺憾はないよ……。 「今日、君を送る、須く酔いを尽すべしイ……明朝、相憶うも、路、漫々たりイ……じゃないか、アハハハハ……」....
日輪」より 著者:横光利一
変って悠々閑々とした戦いの準備を心竊に嗤っていた。しかし、彼らの一人として、娘を憶う兵部の宿禰の計画を洞察し得た者は、誰もなかった。 偵察兵の帰りを待つ長羅の....
母への追慕」より 著者:上村松園
、私たちに対するふかい愛情こそ、尊い「母の姿」であると、私はいつも母の健気な姿を憶うて感謝している。 葉茶屋をしていた私の店には、お茶を乾燥させるための大....
小春」より 著者:国木田独歩
いは畏懼、あるいは苦痛、あるいは悲哀にして汝を悩まさん時、汝はまさにわがこの言を憶うべし。 他日もし、われまた汝を見るあたわざるの地にあらんか、汝まさにわれと....
三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
三木清を憶う 豊島与志雄 高度文化国建設のため、今や新たな出発をなさなければならない時....
日記」より 著者:宮本百合子
.” ○幸、不幸、それははかりしれないものが司って居る。今の私は忘られ行く過去を憶う人とはなると思えない。 六月二十二日(月曜) 〔摘要〕欠席 見えない小....
あのころ」より 著者:上村松園
「あんたとそっくりの顔やった」 と言われたものです。それでとき折り父のことを憶うとき、私は自分の顔を鏡に映してみるのであります。 「父はこのような顔をしてい....
三人の師」より 著者:上村松園
まかった。 私をスケッチしたものが今でも手許に一枚あるが、松年先生の塾のことを憶うたびに思い出すひとりである。 先生は大正七年七十歳でなくなられた。 日本....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
の文中、瘠我慢の説に関係するものあるを以て、ここに附記す。 福沢先生を憶う 木村芥舟 明治三十四年一月廿五日、予、先生を三田の邸に訪いしは、午後一時....
孟母断機」より 著者:上村松園
て、次代の子女を教育してゆかねばならぬのではなかろうか。 ――孟母断機の故事を憶うたびに、わたくしは、それをおもうのである。....
雪柳」より 著者:泉鏡花
蘇の連峰|猫嶽は特に人も知って、野州にも一つあり、遠く能登の奥深い処にもある、と憶う。しかるに前述、獅子屋さん直槙の体験談を聞くうちに、次第に何となく、この話に....
三国志」より 著者:吉川英治
心に多大な衝動を与えた。 都門をさること幾千里。曹操の胸には、たえず留守の都を憶う不安があった。 西涼の馬超、韓遂の徒が、虚をついて、蜂起したと聞いたせつな....