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「懇ろ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

懇ろの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
び取りなすように)ほんに、坂田様のいわれる通りじゃ、この千寿とても、主ある女房と懇ろしたことはないわいな。 他の役者たち (皆一斉に笑う)……。 弥五七 それは....
親子」より 著者:有島武郎
明日矢部と会見するに当たっての監督としての位置と仕事とを父は注意し始めた。それは懇ろというよりもしちくどいほど長かった。監督はまた半時間ぐらい、黙ったまま父の言....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、エクセター教区監督を誹謗し、目下狂否の論争中なる、法術士ロナルド・クインシイと懇ろにせしため、本日原籍校に差し戻されたり。然るに、クインシイは不審にも巨額の金....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
り坊主の親爺が坐っていた。阿Qもまたいつもの通り膝を突いて下にいた。親爺はいとも懇ろに尋ねた。「お前はまだほかに何か言うことがあるかね」 阿Qはちょっと考えた....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
書いた最後の消息であった。 十月八日病|革まるや、日昭、日朗以下六老僧をきめて懇ろに滅後の弘経を遺嘱し、同じく十八日朝日蓮自ら法華経を読誦し、長老日昭臨滅度時....
婦人と職業」より 著者:倉田百三
ぎの必要によるものである。適当の収入さえあれば、夫への心をこめた奉仕と、子どもの懇ろなる養育と、家庭内の労働と団欒とを欲する婦人が生計の不足のためにやむなく子供....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
じの母のドラは、ベーリングの従妹とか言うたが、ステツレルに嫁ぐまえ、ベーリングと懇ろにしおったのであろう。そのとき、妊ったのがそもじで、その名をベーリングが、末....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
は、おそらく里虹のみが知る双生児の表象であろうし、さらに、実の妹とも知らずお袖と懇ろにした、骨肉相姦の意味も必ずやあるに相違ない。そうして、刻々と血が失われてゆ....
良夜」より 著者:饗庭篁村
に住うよし、久しぶりにて便りを得たり、別紙を持参して諸事の指揮をその人にうけよと懇ろに予が空想に走する事を誡められたり。 予は深沢にもその事を話し、届きたる袷....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
かった。浅草の伝法院へ度々融通したのが縁となって、その頃の伝法院の住職唯我教信と懇ろにした。この教信は好事の癖ある風流人であったから、椿岳と意気投合して隔てぬ中....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
少し以前から他の方へ行って居られましたが、ちょうどこのツクという村でお逢い申して懇ろに別れを告げ、この日の夕暮マルバ山村のアダム・ナリンの宅に着きました。アダム....
牛女」より 著者:小川未明
たことに、心づきました。きっと、これは母の怒りであろうと思いましたから、子供は、懇ろに母親の霊魂を弔って、坊さんを呼び、村の人々を呼び、真心をこめて母親の法事を....
犬と人と花」より 著者:小川未明
うに死んでしまいました。いいおじいさんをなくして、村人は悲しみました。そうして、懇ろにおじいさんを葬って、みんなで法事を営みました。 「ほんとうに、だれからでも....
教師と子供」より 著者:小川未明
を拾い上げて、ふところの中に隠して、後になってから、それを学校の裏の竹やぶの中に懇ろに葬ってやりました。 それからというものは、急に、その子供は産まれ変わった....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
人は目上の人に相談に行き、ある人は学校の師の許へ出掛け、友達や両親、兄弟などとも懇ろに謀るでしょう。それらも宜いかも知れません。しかし、結局の掛るところは自分自....